研究実績の概要 |
平成26年度は、システム全体の評価、試薬のキット化、そして多施設での実施と結果のフィードバックを行った。 1,システム全体の評価:本年度は先ずシステムの学内試験運用を実施し、200検体以上の実施を行い、システムの正確性、従来法(培養法)との比較、迅速性、簡便性、そして経済性を比較検討し、その優位性と安全性を全体評価した。以上は論文化を行い、現在、Scientific Reportsにてリバイス中である。 2,試薬のキット化:先ずプロトコールを標準化を行い、次に安定した結果を得るために試薬のキット化を行った。特に本研究システムでは微量のバクテリアを高感度にPCR検出するため、試薬の全てにバクテリアDNAのコンタミが無いことが重要な条件となる。具体的には、独自開発したeukaryote-made Taq polymerase, Primer set, Eva green, Reagents, distilled Water, Tubes等、全てがバクテリアDNA contamination freeを保証したキットとし、三井化学株式会社と共同でキット化を行った。 3,多施設での実施と結果のフィードバック:多施設での実施において、上記のキットを用いることで試薬とプロトコールを標準化することが出来、また、webを介して起炎菌同定ソフトウェアを共用することで、施設間(and 測定機器)での差が無く安定した同定結果を得ることが期待出来る。実施条件としては、Tm値解析において、サンプル間誤差の最も少ない(±0.05℃)RotorGeneQ (QIAGEN)あるいはLightCycler nano (Roche)を用いてHRM解析を行うことを必須とする。本年度は実際に長崎大学、京都府立医科大学、京都医療センター、山梨大学、そして埼玉県小児医療センターとの多施設実施を行った。そして、多施設間で行った260検体の結果を併せ、同定結果をフィードバックすることで、プロトコールの更なる最適化を行った。
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