研究課題/領域番号 |
24590683
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
稲津 明広 金沢大学, 保健学系, 教授 (80293348)
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キーワード | CETP / Lp(a) / 発現細胞 / リポ蛋白 / HepG2 / スフィンゴミエリン / sdLDL |
研究概要 |
コレステリルエステル転送蛋白(CETP)はVLDLとLDLやVLDLとHDL間の非極性脂質(TG/CE)の交換反応を司ることでLDLのTG-rich化とLDL粒子の小型化・動脈硬化惹起性に関与している。本邦では高頻度変異・機能性多型のため一般人の約10%程度にヘテロ型CETP欠損を認めている。CETP欠損では高HDL血症に低LDL血症を認めること、さらに、近年ではCETP阻害薬の検討でLp(a)低下作用が報告されている。 本年度はCETP欠損3例に認められる大粒子HDLのリン脂質組成を検討した。超遠心機で分画した各リポ蛋白のスフィンゴミエリン(SM)、ホスファチジールコリン(PC)を酵素法で測定定量し、対照と比較した。結果、CETP欠損ではHDL2分画とLDL2分画のSM高値傾向を認めた。CETP欠損の場合、LDL2分画はsmall,dense LDL (sd LDL)であるか、または大粒子のHDL1に相当するか、今後検討を要する。 また、HepG2細胞にapo(a) cDNAとハイグロマイシン抵抗性遺伝子を導入し、apo(a)安定発現細胞を分離して解析を継続している。この培養細胞系において、CETP阻害薬の培養液中Lp(a)低下作用を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゲルろ過によるリポ蛋白分画分取の実験系の確立に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
抗糖尿病性については、期間内の研究遂行は困難であるので、 HDLやLp(a)のリン脂質とアポ蛋白組成およびリポ蛋白関連ホスホリパーゼ活性の関係を検討するように計画を一部、変更する。
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