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2012 年度 実施状況報告書

パーキンソン病の心血管自律神経障害のグレリンとレプチンの関与の解明と治療への展望

研究課題

研究課題/領域番号 24590691
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

中村 友彦  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00437039)

研究分担者 渡辺 宏久  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378177)
平山 正昭  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30283435)
祖父江 元  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20148315)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードパーキンソン病 / 自律神経障害 / グレリン / レプチン / 起立性低血圧
研究概要

24年度はパーキンソン病患者18名について検査を行った。コントロールについては、数例のデータ収集を行った。
これらの症例に対して、予定通り起立性低血圧の評価のためにヘッドアップティルト試験を行い、ティルト前後での血圧、脈拍変化、心拍出量、末梢血管抵抗測定などデータ収集を行い、さらにグレリン、レプチン採血を行った。また食事性低血圧の評価のためにブドウ糖負荷も行い、1時間後に同様にデータを収集した。パーキンソン病についてはさらにUPDRS、ヤール重症度分類、罹病期間、OSIT-Jによる嗅覚機能、MIBG心筋シンチといった一般臨床データの収集は予定通り行った。
今回の研究においてはパーキンソン病における起立性低血圧、食事性低血圧とグレリン、レプチンとの関連を検討する予定であり、一般にパーキンソン病では20-30%程度に起立性低血圧が出現するとされるが、現在のところヘッドアップティルト試験で起立性低血圧を来たしたのは1例にとどまっている。さらにブドウ糖負荷にて血圧低下をきたした例も1例のみとなっており、自律神経障害をあまり来たしていない症例が多い状況にある。またグレリン、レプチンの解析であるが、現在グレリンについて8例で測定を試みたが、多数例で予定よりグレリン濃度が低値となり、設定した検量線ではあまり正確なデータが得られていないことが判明した。この濃度低値が疾患特異性の異常であるのかどうかを検討中なこともあり、レプチン濃度測定は今後の予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

パーキンソン病患者は目標25例に対して18例の実施であり、まずまず順調な症例数であるが、コントロールについて目標に届いていない。
またグレリン濃度の分析に関して、検量線の設定に問題があった可能性もあり、現在様々な角度からその原因を検索している。
従ってレプチンに関しても現在はグレリン測定が安定したデータを得られるような状況になるまでは測定を見合わせているため、全体的には遅れていると判断した。
しかし検体自体は着実に増加しており、測定自体に問題がなければ、順調に研究が進んでいくものと判断している。

今後の研究の推進方策

25年度の計画としてさらに症例の蓄積を行い、それにより詳細に病態解明に務める。具体的には、種々の抗パーキンソン病治療薬内服例について、服用量によって血中レプチンやグレリン濃度に違いが生じないか、といった点やさらに臨床的にしばしばみられるl-dopa開始後やMAO-B受容体阻害薬服用開始後の血圧低下について、これに関連して、血中レプチンやグレリン濃度になんらかの変化が見られるかといった点など、薬剤使用による循環動態の変化がレプチンやグレリンの分泌に影響を及ぼすかについても検討を試みる。また24年度の症例では起立性低血圧を来す例が少なかった。今後は起立性低血圧をきたすような症例に対して積極的に検査を推めいてくことが重要であるが、もともと出現頻度が多くないということもあり、必ずしも20mmHg以上の低下にこだわらず、起立時に血圧低下を来す例とそうでない例での差違、起立時に末梢血管抵抗収縮が見られる例と収縮不全を来す例や心収縮力変化の異なる例などにおけるホルモン動態の変動に注目して検討を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

活性型グレリン分析キット80000円×2
非活性型グレリン分析キット80000円×2
レプチン測定キット50000円×2
ほか自律神経機能検査時の電極や負荷時のブドウ糖液などが必要

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公開日: 2014-07-24  

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