APSの基礎疾患として代表的な全身性エリテマトーデス患者を対象に,6種類の抗リン脂質抗体をELISAにて同時測定し,APSに関連する各種合併症発症およびLA活性発現との関連を解析した. その結果,動脈血栓症の最も強い危険因子としてaPS/PTが,静脈血栓症の危険因子としてaβ2GPIが特定された.また,習慣性流死産の発症にはaCL/β2GPIとaPS/PTが関連していた. 今後は,複数の抗リン脂質抗体をELISAにて同時に測定し,患者血中に存在する抗リン脂質抗体のタイプの決定と抗体価の定量がAPSの検査診断として重要であると考えられる.
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