研究課題/領域番号 |
24590699
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大林 光念 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90361899)
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研究分担者 |
安東 由喜雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20253742)
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キーワード | ニューロパチー / 加齢変化 / アンチエイジング |
研究概要 |
40歳以上の日本人の約50%に出現する四肢のしびれ、異常感覚、疼痛の二大原因は「加齢変化に伴うニューロパチー」と「生活習慣病に起因するニューロパチー」である。しかし、この両者の正確な鑑別は極めて困難で、このことが特に後者の早期診断、早期治療を妨げ、予後の悪化を招いている。本研究では、①「加齢変化に伴うニューロパチー」を的確に鑑別しうる新規の生化学的・遺伝学的指標を同定、活用することで、②治療法のある「生活習慣病に起因するニューロパチー」の早期診断を確実なものにすることを目的とする。さらに、同定し得た指標を糸口に、③「加齢に伴うニューロパチー」の発症機構に迫り、未だ治療法の確立していない同疾患群、ひいては老年病全般に有効な、新しいアンチエイジング療法の考案を目指す。 計画当初の1年間 (平成24年度) には、まず自身の所属する施設に所蔵されている高齢のニューロパチー、老年病の典型的phenotypeである原発性骨粗鬆症の各患者、および健常高齢者から得た生検皮膚ホルマリン固定組織や血清、およびDNAを、LC-MS/MS法、およびゲノムDNAアレイを用いて解析し、群間比較を行うことにより、加齢に伴うニューロパチーが出現、進行する過程において、質的・量的に変動する蛋白質、遺伝子を探索した。結果として、まずは複数の変動する蛋白質、遺伝子が挙がってきたため、計画2年目の平成25年度には、これらの蛋白質、遺伝子に関する機能解析を行うことによって、加齢変化に伴うニューロパチーを的確に鑑別しうる新規の生化学的・遺伝的指標の候補同定に努め、FABPなどがその候補となりうることまでつきとめた。計画最終年度である平成26年度には、これらの候補を汎用マーカーに高めうるための定量解析系を確立したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初の1年間 (平成24年度) には、まず自身の所属する施設に所蔵されている高齢のニューロパチー、老年病の典型的phenotypeである原発性骨粗鬆症の各患者、および健常高齢者から得た生検皮膚ホルマリン固定組織や血清、およびDNAを、LC-MS/MS法、およびゲノムDNAアレイを用いて解析し、群間比較を行うことにより、加齢に伴うニューロパチーが出現、進行する過程において、質的・量的に変動する蛋白質、遺伝子を探索した。結果として、まずは複数の変動する蛋白質、遺伝子が挙がってきたものの、当初の予定より検討する症例数がやや不足し、これらの候補に確証を持てなかったこともあり、若干研究に遅れが生じた。しかし、計画2年目の平成25年度にはこの問題も解消し、加齢変化に伴うニューロパチーを的確に鑑別しうる新規の生化学的・遺伝的指標の候補としてFABPなどを挙げうるという確証を得るに至った。
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今後の研究の推進方策 |
計画2年目の平成25年度に候補に挙げたFABPなどの物質を対象に定量解析系を確立し、これらの候補を加齢変化に伴うニューロパチーの診断汎用マーカーに高めうる努力を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画2年目の平成25年度には、加齢変化に伴うニューロパチーを的確に鑑別しうる新規の生化学的・遺伝的指標の候補としてFABPなどを比較的迅速、かつ安価に挙げうることができたため、やや当初の予定より資金が余った。しかし、次年度に検討予定である定量解析系の確立にはかなりの資金が必要になると考えられることから、残金は次年度の計画に使用することとした。 計画2年目の平成25年度に候補に挙げたFABPなどの物質を対象に定量解析系を確立し、これらの候補を加齢変化に伴うニューロパチーの診断汎用マーカーに高めうる努力を行っていく予定である。したがって、主としてELISA等の確立に向けた試薬等の購入に研究費を使用する予定である。
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