本研究では、血液細胞における様々なミオシンの役割を研究し以下の知見を得た。1) ミオシンVIが非分泌型で核内に移行する。非分泌型が予後不良である病態の一部が示唆された。また予後とも関連した。2) T細胞受容体が細胞膜に発現するためにはII型ミオシンが重要で免疫シナプス安定化に関与すると示唆された。3) 急性骨髄性白血病における転写因子RUNX1の変異は分化抑制をきたすが、ミオシンIIBの発現を抑制するだけで巨核球への分化を回復できた。4) MYH9異常症でみられる尾部の点突然変異を有する分子は、尾部が伸展したままなのでフィラメント構造を作りやすいことがわかった。
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