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2012 年度 実施状況報告書

癌関連疾患予測システムの開発と疾患パスウェイの研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590704
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

満山 進  慶應義塾大学, 医学部, 特任助教(非常勤) (30296727)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子 / 蛋白質 / 疾患 / データベース / 予測システム
研究概要

癌関連疾患と原因遺伝子のリストを作成するためにOMIM(Online Mendelian Inheritance in Man)で疾患検索を行った。その結果、CacerProViewに収録済みの疾患関連遺伝子を含む1759疾患の原因遺伝子が検索された。遺伝子記号の確認のためHUGO Gene Nomenclature Committeeのデータベースで行い遺伝子記号、疾患名の表の作成を行った。作成した疾患原因遺伝子のリストから癌関連遺伝子のタンパク質ドメイン構造と遺伝子変異、癌疾患との対応付けのため疾患関連遺伝子が産生するタンパク質のドメイン構造をハイデルベルグ大学のSMARTにより検索を行い、データの取得を行った。CancerProViewに収録済みの180癌関連タンパクを含む377疾患関連タンパク質と合わせて1033疾患関連タンパク質の関連付けを行い、遺伝子記号、タンパク質ドメイン、疾患の表を作成した後、リレーショナルデータベース上に取り込みを行った。取り込んだデータは、タンパク質相互作用、ドメイン構造、疾患の関連付けによる疾患予測モデル化を行うためにCancerProView中のタンパク質ドメインと比較を行った。タンパク質の類似のドメイン内で遺伝子変異が起き疾患原因となった場合を想定しそれを予測疾患とした場合、CancerProView中の664の疾患未同定遺伝子/タンパク質について460遺伝子/タンパク質、688疾患が推測された。それらには94癌関連疾患を含み、198遺伝子/タンパク質について乳がんとの関連性が推測された。CancerProViewの機能に関しては、タンパク質ドメイン比較のためNCBIのRefseq記述のタンパク質ドメイン構造の表示プログラムの作成を行った。さらに遺伝子変異表示の改良、タンパク質ドメイン詳細表示中にアミノ酸配列表示の機能付加を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成24年度は、1)癌関連疾患と原因遺伝子の関連付け、2)癌関連遺伝子のタンパク質ドメイン構造と遺伝子変異、癌疾患との対応付け、3)既知タンパク質・遺伝子相互作用、ドメイン構造、疾患の関連付けによる疾患予測モデル化、4)疾患未同定遺伝子のタンパク質相互作用とドメイン構造の類似性からの疾患予測を行う予定であった。1)についてはmorbidmapを使用する予定であったが同じ結果が得られるため、OMIMにCancer, oncogene, Leukemia, tumor, syndromeなどのキーワードで直接検索をかけ、さらにAlleric variantを参照することによって遺伝子変異を調べることにより1759遺伝子について疾患との関連性をリスト化することができた。2)については1)で判明した1759疾患関連遺伝子/タンパク質のうち約半数の1033疾患関連タンパク質のドメイン構造を取得することができた。3)については、2)で収集した1033疾患関連タンパク質のドメイン構造から関連付けを行った。4)についてはCancerProView中の疾患未同定遺伝子664遺伝子のうち460遺伝子、668疾患、94癌関連疾患について推測することができた。1)、2)、3)、4)については年度内に予定した部分は達成できた。さらに研究を進める上でタンパク質ドメイン比較のためNCBIのRefseqに記述されているタンパク質ドメインも画面上に表示させる必要性がありプログラム作成を行った。CancerProViewの検索結果の表示部分の改良は、平成25年度から始める予定であったが研究を先行して行い、遺伝子変異表示では変異が重ならないように改良を加え、タンパク質ドメイン詳細表示ではドメインに対応した部分のアミノ酸配列の表示ができるように改良を加えた。年度全体としては予定以上に研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、1)癌関連疾患と原因遺伝子の関連付け、2)癌関連遺伝子のタンパク質ドメイン構造と遺伝子変異、癌疾患との対応付け、3)既知タンパク質・遺伝子相互作用、ドメイン構造、疾患の関連付けによる疾患予測モデル化、4)疾患未同定遺伝子のタンパク質相互作用とドメイン構造の相似性からの疾患予測を行うために、平成24年度に作成をした1759疾患の原因遺伝子/タンパク質のリストから収集済み1033遺伝子分を除いた726遺伝子分のタンパク質についてSMARTによりタンパク質ドメイン検索と取得を行う。収集したタンパク質ドメインと疾患との関連付けを行い、CancerProView中の204疾患未同定遺伝子/タンパク質についてタンパク質ドメインを比較することにより疾患の推測を行う。さらにNCBIのRefseqに記述されているタンパク質ドメインをデータベース内に取り込み、平成24年度に作成した疾患原因遺伝子/タンパク質のリストを用いて疾患とタンパク質ドメインの関連付けを行う。その後、CancerProView中の疾患未同定遺伝子/タンパク質についてタンパク質ドメイン比較を行うことにより疾患の推測を行う。推測された疾患は、癌疾患予測検索システムと疾患パスウェイの作成を行うためにCancerProViewに取り込みを行う。取り込んだデータは検索部分のメニューにボタンを追加し、タンパク質ドメイン名から関与している疾患の一覧を表示できるようにする。疾患未同定遺伝子については、タンパク質相互作用図に記述してある遺伝子記号に疾患予測のボタンを付け疾患候補を表示できるようにする。その後、疾患パスウェイの表示部分の作成を行う。
平成26年度は、平成25年の内容を継続して行い、システム完成後CancerProViewの一部としてインターネット上で公開を行う予定である。さらに学術雑誌に論文を投稿する予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし
平成25年度に計上した項目のうち物品費については、データベースのデータバックアップのためのハードディスクや公開用Webサーバの増設メモリーなどコンピュータ関連消耗品の購入にあてる予定である。旅費については第20回遺伝子診療学会(浜松)、第72回日本癌学会総会(横浜)、第36回日本分子生物学会年会(神戸)における研究成果発表に使用する予定である。人件費・謝金については計上していない。その他の項目についてはCancerProViewの改良プログラムの開発を業者に委託するために使用し、(1)結果の表示のためのボタンを検索部分のメニューに追加、(2)タンパク質ドメイン名から関与している疾患の一覧を表示、(3)疾患が未同定の遺伝子についてはタンパク質相互作用の図に記述してある遺伝子記号の側に疾患予測のボタンを付け疾患候補を表示、(4)疾患パスウェイの表示などの部分の作成を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CancerProView: a graphical image database of cancer-related genes and proteins.2012

    • 著者名/発表者名
      Susumu Mitsuyama, Nobuyoshi Shimizu
    • 雑誌名

      Genomics

      巻: 100 ページ: 81-92

    • DOI

      10.1016/j.ygeno.2012.05.011

    • 査読あり
  • [学会発表] Comparative analysis of the functional domains of various cancer-related proteins by CancerProView2012

    • 著者名/発表者名
      Susumu Mitsuyama, Nobuyoshi Shimizu
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • 年月日
      20121212-20121212

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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