抗菌薬耐性菌の、院内分子疫学解析を行った。同一時期に同一病棟において、多数のカルバペネム耐性遺伝子保有の腸内細菌科細菌株が分離された。これら分離株には通常の感受性検査においてカルバペネム耐性と感受性の表現型の株が混在していたが、パルスフィールド電気泳動で同一ゲノム型を示し、同一株の水平伝播と判断された。 また、ゲノム型と耐性遺伝子解析により同一起源のメタロβラクタマーゼ遺伝子保有の多剤耐性緑膿菌の、2年以上の院内定着が明らかとなった。 カルバペネム耐性アシネトバクター分離株の解析では、MLSTにより世界流行のCC92であること、耐性遺伝子として、OXA23βラクタマーゼ遺伝子保有が明らかとなった。
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