研究課題/領域番号 |
24590711
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
刑部 恵介 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (30290167)
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研究分担者 |
吉岡 健太郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60201852)
橋本 千樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60378049)
西川 徹 藤田保健衛生大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20410714)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 線維化評価 / 慢性肝炎 / 肝硬変 / インターフェロン |
研究実績の概要 |
HCV感染による慢性肝炎は進行するに従い炎症性変化が強くなり、組織は線維化を来し最終病態である肝硬変となり、肝細胞癌へと進行していく。今現在の診断は慢性肝炎の病態期を的確に診断することが中心であり、線維化の診断は必要不可欠なものである。その線維化の診断は頻繁に行うこと必要があり、血液生化学データを基に算出されるAPRIなど様々な線維化の指標が報告されている。しかし、これらの指標は線維化以外の影響を受けることが問題とされている。そのため、今現在も線維化の診断は肝生検による病理組織学的検査が基本となって行われているが、肝生検の問題点として侵襲性が強いこと、病理医の主観による判定であること、さらに半定量的な評価であること、さらにサンプリングエラーの問題などが挙げられる。そこで、非侵襲的に繰り返し検査できる超音波を用いた様々な線維化評価方法が開発されてきた。 本研究ではこの超音波による肝線維化評価法について血液データに加え、最も客観性のある評価基準として組織標本から求めた線維化面積比を用い有用性の検討を行った。その結果、線維化面積比とも良好な相関関係を示した。さらに従来の肝線維化分類である新犬山分類と比較すると多くの群間に有意差を認めた。 最終年度では、C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法の効果判定における肝硬度測定の有用性についても検討を行った。IFN著効例では治療開始とともに肝硬度は低下し、その後低値を維持する結果であった。一方、IFN無効例では治療開始しても変化は認められなかった。さらに再燃例においても大きな変化は認められなかった。以上のことから、肝硬度測定は治療効果判定にも有用な手法であると推測された。
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