研究課題/領域番号 |
24590714
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10330078)
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研究分担者 |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
槇野 茂樹 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20268204)
小谷 卓矢 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80411362)
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キーワード | 関節リウマチ / 関節炎 / 質量イメージング |
研究概要 |
本研究では確立された慢性関節炎モデルSKGマウスを用い、質量イメージング(IMS)法および免疫組織学的手法により関節炎に関連する分子を同定し、その空間的局在性及び量的変動を解析する。SKGマウスは真菌菌体を皮下投与することで関節炎を誘導し、新鮮凍結関節滑膜組織から超切片スライドを作成し、ホルマリン固定後に免疫染色をした。マクロファージやリンパ球などの免疫担当細胞の滑膜組織への浸潤と滑膜組織でのMMP-3,9、TGF-β、VEGF発現の増加を認めた。関節炎を誘導しなかったマウスでは炎症細胞の浸潤、MMP-3,9、TGF-β、VEGF発現の増加は見られなかった。シトルリン化蛋白については、滑膜組織での発現を確認できなかった。現時点では新鮮凍結滑膜組織からIMS用の超切片スライドの作成は、骨組織を含むために困難であった。滑膜組織のみを関節から剥離し超切片スライドを作成する手法を試みているが、挫滅が著しく課題を残している。関節滑膜組織より抽出した細胞内蛋白の発現を関節炎発症群と非発症群とで定量プロテオミクスの手法を用い比較検討した。両群の滑膜組織より抽出した等量の細胞内蛋白を安定同位体で標識された試薬で標識しトリプシン消化した後、質量分析計でピーク強度の差をタンパク質量の差として定量した。その結果、蛋白発現量が2倍以上あるピークを12個見出した。関節炎発症群と非発症群それぞれに発現量が多いピークがあった。これらのピークについて、蛋白の同定を試み、α-enolaseを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
滑膜組織からIMS用の超切片スライドの作成が計画以上に難しく、さらなる工夫が必要であったことと、実験に用いていたマウスの形質が継代とともに変化し、関節炎が誘導しにくくなったことが研究の進行を遅らせている。
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今後の研究の推進方策 |
関節滑膜組織からIMS用の超切片スライドの作成を行う。骨などの硬い組織から超切片スライドを作成する方法および滑膜組織のみを関節から剥離し超切片スライドを作成する方法を試み、滑膜組織のIMSを確立する。関節滑膜組織より抽出した細胞内蛋白の発現を関節炎発症群と非発症群とで定量プロテオミクスの手法を用い前年度と同様に比較検討する。抽出できる細胞内蛋白量を増やすために実験に用いるマウスを増やし、蛋白の同定を引き続き行う。α-enolaseについては、ウエスタンブロットにより確認を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に用いていたマウスの形質が継代とともに変化し、関節炎が誘導しにくくなったため進行が遅れが生じ未使用額が生じた。 実験に用いていたマウスの形質が継代とともに変化し、関節炎が誘導しにくくなったため改めて購入し、費用は前年度未使用額で充てる。
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