研究課題/領域番号 |
24590724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00210633)
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研究分担者 |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (10272981)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 痛み / 神経損傷 / Gpnmb |
研究概要 |
膜糖タンパクGpnmb (Glycoprotein non-metastatic melanoma B)のmRNAレベルが成体ラットの左坐骨神経切断時の近位および遠位断端で上昇し、非傷害側(右)では変化しないことを、RNAブロットおよび逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって確認した。GpnmbのmRNAは正常坐骨神経にも低レベルではあるが検出された。Gpnmb特異的な抗体を用いて免疫染色を行ったところ、正常坐骨神経ではGpnmb免疫反応性はS100タンパク陽性細胞の一部に強く認められた。坐骨神経切断端では、強いGpnmb免疫反応性がOX-42、ED1あるいはOX6陽性の細胞に認められた。このGpnmb免疫反応性は坐骨神経切断後5-7日後に最高レベルに達し、約1か月の間に消褪していった。これらの観察から、Gpnmbは正常時はシュワン細胞に発現しているが、神経損傷・炎症に際して浸潤する 単球・マクロファージ系の細胞で高発現されることを示していることが示唆された。(Yokoyama, S., and Yanagida, N. Soc. Neurosci. Abstr. 548.03, 2011、論文投稿準備中) また、ラットGpnmbのcDNAを大腸菌用発現ベクターに組込み、これを大腸菌に導入して融合タンパクの発現を行ったところ、予想される分子量のタンパクの大量発現が確認された。さらに現在可溶化、精製するための条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットGpnmbのcDNAを大腸菌用発現ベクターに組込み、これを大腸菌に導入して発現誘導を行ったところ、予想される分子量の融合タンパクの大量発現が確認された。しかしながら、この融合タンパクは封入体を形成している模様で、可溶化、精製するのに適当な界面活性剤を見つけられなかった。
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今後の研究の推進方策 |
I. Gpnmbタンパクの調製については以下の2通りの方法を並行して行う。① 大腸菌に発現させた組換えGpnmbタンパクを可溶化する際のための条件をさら引き続き検討する。② カイコ-バキュロウイルス発現系を利用した組換えタンパク発現系を導入する。Gpnmbタンパクの調製をした上で、以下の実験を進める。 II.培養細胞における電気生理学的測定 ③ ラットDRGニューロンの初代培養を行い、膜電位固定法により膜電位依存性Na+およびK+チャネル電流を記録する。これに得られた組換えGpnmbタンパクを加えることで電流が増大するか抑制されるか調べる。④ 同様の実験をラットDRGニューロン、上頸神経節ニューロン、神経系培養細胞株(NG108-15、PC12)およびで膜電位依存性Na+およびK+チャネルの遺伝子導入安定発現細胞株についても行う。⑤ 上記で得られた培養細胞を固定した後、免疫染色を行い、膜電位依存性Na+チャネル、膜電位依存性K+チャネルの発現の変化を観察する。 III.個体レベルでの疼痛の評価 ⑥ ラット足底部にI-①②で得られた組換えGpnmbタンパクを注射する。あるいは腰部脊髄後根神経節を露出し、ハミルトンシリンジにて組換えGpnmbタンパクを注入する。⑦ ⑥のラットを灌流固定の後、同側および対側の第4, 5腰椎後根神経節、坐骨神経を取り出し免疫染色を行う。⑧ 足底の熱刺激による足引っ込め行動の閾値、潜時を測定して⑥による効果を判定する。⑨ 同様に、足底の圧刺激による痛みの閾値、潜時を測定して⑥による効果を判定する。 IV. 坐骨神経切断、脊髄神経結紮、脊髄圧迫損傷の各モデルで同様の実験を繰り返す。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の若干の遅れによって繰り越し金が生じたが、平成25年度分請求助成金と合わせ、主として以下の使途に充てる予定である。 ① カイコ-バキュロウイルス発現系に必要な消耗品 ② 実験用ラットの購入と飼育費 ③ 現有する足底熱刺激測定装置の修理 ④ 圧刺激鎮痛効果測定装置の購入⑤ 学会出張費用
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