研究課題/領域番号 |
24590728
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田中 信彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (30264394)
|
研究分担者 |
与那覇 哲 宮崎大学, 医学部, 助教 (70468023)
越田 智広 宮崎大学, 医学部, 助教 (20441842)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 間欠的高周波照射 |
研究概要 |
神経障害痛の新しい治療法として間欠的高周波照射(pulsed radiofrequency:PRF)が用いられるようになった. しかし, PRFの鎮痛メカニズムについて十分に研究されていないため, 研究代表者らは, Transient receptor potential vanilloid-1(TRPV1)受容体の強力なアゴニストであるレシニフェラトキシン(RTX)による神経障害痛モデルラットを用いて, PRFの後根神経節(DRG)ニューロンでの遺伝子発現への影響を調べることで, 神経障害痛に対するPRFの作用メカニズムを明らかにすることを目的として研究を開始した. 平成24年度は, RTXによるラットの神経障害痛モデルを作製し, そのモデルラットから摘出したDRGニューロンに間欠的高周波を照射することで, DRGニューロンでのサブスタンスP, CGRPおよびBDNFの発現に影響を及ぼすかを検討する予定であった. しかしながら動物実験計画書の承認に時間を要したことや定量的PCR法およびWestern blotting法によるサブスタンスP,CGRPおよびBDNFのmRNA発現量と蛋白発現量の測定を安定化させるのに時間を要したことから実験の達成度が遅れている. 現在, 定量的PCR法およびWestern blotting法によるサブスタンスP, CGRPおよびBDNFのmRNA発現量と蛋白発現量の測定が安定化したことから, 実験を遂行しデータを蓄積している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(1)動物実験計画書の承認に時間を要した. (2)実験計画書作成時に研究分担者であった鬼束信が退職し, 代わりに越田智広が研究分担者に加わったことから, 定量的PCR法およびWestern blotting法によるサブスタンスP, CGRPおよびBDNFのmRNA発現量と蛋白発現量の測定を安定化させるのに時間を要した. 以上の理由により現在までの達成度が遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
実験の達成度が遅れていることから, 研究分担者である与那覇哲と越田智広の実験の役割分担を細分化することにする. それにより平成24年度に予定していた神経障害痛モデルラットから摘出したDRGニューロンに間欠的高周波を照射し, DRGニューロンでのサブスタンスP, CGRPおよびBDNFの発現への影響を検討するin vitro実験と, 平成25年度に予定している神経障害痛モデルラットの坐骨神経近傍に間欠的高周波を照射し, DRGニューロンでのサブスタンスP, CGRPおよびBDNFの発現への影響を検討するin vivo実験を可能なかぎり同時に遂行し, データを蓄積することで研究成果を出したいと考えている. またRTXによる神経障害痛モデルラットから摘出したDRGニューロンでサブスタンスP, CGRPおよびBDNFの発現変化が認められないときには, 神経障害痛モデルを坐骨神経結紮によるモデルに変更して実験を遂行する予定である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
間欠的高周波照射に使用するニューロサーモ電極(M405/TCL 50mm)1本を追加整備したい. また, 平成24年度に購入予定であったコンピュータ(MacBook Pro )1台を整備して, データの集計と解析を効率的に進めたい. 消耗品として, 定量的PCR法およびWestern blotting法による試薬を購入するための経費として薬品代を計上する. 旅費として, 間欠的高周波照射に関する研究の最新動向を調査するため, 研究代表者が日本疼痛学会および日本ペインクリニック学会へ出席するための経費を計上する.
|