慢性疼痛は不快情動を惹起するが,その機序は不明である.われわれはGFP陽性キメラマウスを用いて神経障害性疼痛マウスを作成し,28日後に扁桃体中心核に骨髄由来ミクログリア(BMDM)の集積と,不安行動の発現を確認した.BMDMはIL1-bおよびCCR2受容体,CCR2受容体のリガンドであるMCP-1に有意に発現していた.CCR2受容体拮抗薬により,BMDMの発現と不安行動および疼痛関連行動は改善した.IL1-b受容体拮抗薬では不安行動は改善したが,疼痛関連行動は改善しなかった.よって BMDMは扁桃体中心核でMCP-1/CCR2との相互作用を介して慢性疼痛に惹起する不快情動の発生に関与する.
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