研究課題/領域番号 |
24590731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
溝口 広一 東北薬科大学, 薬学部, 准教授 (30360069)
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研究分担者 |
桜田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / 疼痛 / μ受容体 / 鎮痛薬 / ジーンセラピー |
研究概要 |
多発性硬化症疼痛モデルマウスにおけるmorphine皮下投与による鎮痛作用は、対照モデルマウスに比べ著しく減弱したことから、本モデルマウスにおける多発性硬化症疼痛は、臨床における多発性硬化症疼痛と同様に、morphine抵抗性であることが明らかとなった。また、methadone皮下投与による鎮痛作用は、morphineと同様に、多発性硬化症疼痛モデルマウスにおいて著しく減弱した。一方oxycodoneは、多発性硬化症疼痛モデルマウスにおいても、その皮下投与による鎮痛作用は全く減弱しなかった。興味深いことに、oxycodoneは選択的μ受容体作動薬であるにも関わらず、多発性硬化症疼痛に対するoxycodoneの鎮痛作用は、κ受容体拮抗薬であるnor-binaltorphimineの前処置により顕著に抑制された。またoxycodoneの鎮痛作用は、内因性dynorphin類の欠損しているprodynorphin欠損マウスにおいて抑制されたが、その抑制は対照モデルマウスに比較して、多発性硬化症疼痛モデルマウスにおいて著しく顕著であった。さらに、選択的κ受容体作動薬であるnalfurafineの皮下投与による鎮痛作用は、多発性硬化症疼痛モデルマウスにおいて全く減弱しなかった。 以上本年度の研究結果から、morphineやmethadoneとは異なり、oxycodoneは多発性硬化症疼痛の特効薬となりうる可能性が示唆された。また、多発性硬化症疼痛に対するoxycodoneの鎮痛作用には、一部κ受容体刺激が関与していることも明らかとなった。多発性硬化症疼痛時には、内因性のκオピオイドシステムが亢進している可能性が示唆されたことから、多発性硬化症疼痛の緩和には、κ受容体作動薬あるいは内因性κオピオイドシステムを刺激する薬物が有効である可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定機器の故障により、実験項目の実施順番を変更し、本年度は行動薬理学的実験を中心に行った。現在は測定機器も修理され、生化学的実験および分子生物学的実験も実施可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
測定機器の故障により実験項目の実施順番を変更し、本年度は行動薬理学的実験を中心に行った。現在は測定機器も修理され、生化学的実験および分子生物学的実験も実施可能となっていることから、次年度は先送りした生化学的実験および分子生物学的実験を中心に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
測定機器の故障により実験項目の実施順番を変更し、本年度は行動薬理学的実験を中心に行ったたため、それに伴い研究費の使用計画に変更が生じた。現在は測定機器も修理され、生化学的実験および分子生物学的実験も実施可能となっていることから、次年度は繰り越した研究費を合わせて使用し、先送りした生化学的実験および分子生物学的実験を実施する。
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