モルヒネ抵抗性の難治性疼痛である多発性硬化症疼痛に対して、麻薬性鎮痛薬であるオキシコドンおよびκ受容体作動薬であるナルフラフィンは極めて有効であることを発見し、その鎮痛作用には一部κ受容体刺激が関与していることを明らかとした。また、多発性硬化症疼痛のモルヒネ抵抗性には、NMDA受容体の活性化によるμ受容体の脱感作が関与している可能性を見いだし、この多発性硬化症疼痛のモルヒネ抵抗性は、多発性硬化症疼痛の形成前、形成過程、あるいは形成直後のいずれかの時点でNMDA受容体拮抗薬を単回処置することにより解除され、モルヒネの鎮痛効果が回復することを発見した。
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