大脳皮質拡延性抑制(Cortical Spreading Depression:CSD)の発生閾値に影響を及ぼす要因について多角的な検討を加え、多くの成果を得た。特に、三叉神経支配領域にされたTrigger pointが三叉神経系に発現する疼痛receptor の刺激と同様、CSDの発生閾値を低下させることを示したことが、最も重要な成果と言える。これは、片頭痛や脳血管障害などの病態に対する介入経路としてTrigger pointを想定することを可能とするもので、物理療法を併用した新たな治療戦略の構築に寄与するものと考える。
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