本研究の目的は、TRPV1による脂肪細胞および免疫細胞の機能調節が神経障害性疼痛を緩和する可能性およびその分子機構を明らかにすることである。神経障害性疼痛モデルマウスの解析により、神経障害部位における免疫細胞の集積及び脂肪細胞の肥大化が生じること、ならびに免疫細胞のTRPV1活性化は疼痛抑制につながることを明らかにした。培養細胞を用いた実験から、免疫細胞と脂肪細胞の相互作用による炎症応答を免疫細胞のTRPV1活性化は抑制することを明らかにした。本研究の成果は、免疫細胞のTRPV1が神経障害性疼痛制御分子としての可能性を示唆する。
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