研究課題
オピオイド受容体高発現マウス系統として知られているCXBHリコンビナント近交系マウス系統において、オピオイド受容体のmRNA発現量解析を行い、さらにオピオイド受容体遺伝子の塩基配列を決定した。3種類あるμ、δ、κオピオイド受容体サブタイプについては多数のsplice variantsが報告されており、northern blotにより発現量解析を行った。μオピオイド受容体の主要転写産物であるMOR-1の発現量にはprogenitor系統(BALB/cBy, C57BL/6J)とCXBHk系統の間には著しい差異は見られなかったものの、δ、κオピオイド受容体mRNA発現量は両progenitor系統と比較してCXBH系統で高いことが明らかとなった。また、μオピオイド受容体遺伝子(Oprm1)の塩基配列は、progenitor系統間では約100 bpsの差異が見られたが、C57BL/6By系統とCXBH系統間では2塩基の差異しかないことから、CXBH系統はOprm1遺伝子をC57BL/6By系統より受け継いでいることが明らかとなった。また、κオピオイド受容体遺伝子の塩基配列は、progenitor系統間では2塩基の差異が見られ、CXBH系統ではBALB/cBy系統と完全に一致していた。δオピオイド受容体遺伝子の塩基配列は3系統間で差異は見られなかった。サブタイプ非特異的なオピオイド受容体拮抗薬であるnaloxone結合性によりオピオイド受容体高発現マウス系統と報告があるCXBH系統であるが、morphineなど鎮痛薬の標的分子であるOprm1遺伝子の発現量およびOprm1遺伝子の塩基配列に著しい差異は見られないことが、morphineの鎮痛作用においてprogenitor系統と比較して著しい差異が見られない原因であると考えられる。
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