CXBHマウスでは、熱刺激に対するモルヒネの抗侵害受容作用には顕著な差異は見られなかった。しかし、脊髄反射には異常が認められず、熱・機械・化学刺激に対する侵害受容性反応が著しく低下していたことから、CXBHマウスは上脊髄性の侵害受容性反応が低下したマウスであると考えられる。CXBHマウスの脳における網羅的遺伝子発現解析により、侵害受容性反応の低下と関連する遺伝子発現変化を351転写産物(332遺伝子)において特定した。特に発現量変化の著しい61遺伝子には侵害受容性反応に関わる遺伝子が複数含まれており、これら遺伝子発現変化を引き起こす塩基配列変化が侵害受容性反応の低下を引き起こすと考えられる。
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