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2014 年度 実施状況報告書

小児喘息患者におけるゲノムDNAメチル化異常の実態調査

研究課題

研究課題/領域番号 24590745
研究機関信州大学

研究代表者

堺 温哉  信州大学, 医学部, 委嘱講師 (20303555)

研究分担者 日高 義彦  信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (40624713)
津田 洋子  信州大学, 学術研究院医学系, 助手 (80512904)
塚原 照臣  信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (50377652)
稲葉 雄二  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (30334890)
野見山 哲生  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70286441)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード環境 / アレルギー / 喘息 / ゲノム / 大気汚染
研究実績の概要

本研究では、汚染物質のばく露によりゲノムDNA(gDNA)のメチル化異常が発生しこれにともなう免疫異常が喘息発症に関与する、と仮説を立てた。その上で、小児喘息患者におけるgDNAのメチル化異常の実態と大気汚染との関連性を明らかにする調査を計画した。
小児喘息患者は近年増加傾向にあり化学物質など環境因子の関与が推測されるが、現在までに科学的知見が不足し、因果関係など詳細は不明であるのが現状である。一方で、大気汚染地域に居住する小児喘息患者は対照地域に居住する患者に比し、制御性T細胞(Treg)のFoxp3プロモーター領域が高メチル化状態にあり、これによってTreg機能抑制、異常免疫が発生した、大気汚染と喘息との関連を示唆する報告がなされている。又、汚染物質ばく露によるgDNAのグローバルな低メチル化状態の発生が複数の研究で報告されている。グローバルな低メチル化は炎症性サイトカインの生産増加や、自己免疫疾患への関与が推測される。
こうした背景から、既報を参考にメチル化解析の条件検討を行いメチル化解析プロトコールを作成し、予備実験を行った。また、それと並行し、協力医療機関とのリクルートに関する打ち合せを施行した。国立成育医療研究センター病院にて喘息児32名および対象児(非喘息児)22名の頬粘膜検体を採取した。国立成育医療研究センター病院で採取した検体を昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座の協力にてgDNA抽出後、本学にてFoxp3のメチル化解析を施行した。伊那中央病院と市立甲府病院での検体採取の準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

メチル化解析のプロトコール確定まで予定よりも若干検討が遅れていた。また、調査対象者のプロトコール確定と準備に少し時間を要した。
プロトコールが確定し、一部協力医療機関での検体採取は終了し、gDNA抽出およびメチル化解析が終了した。また、残りの協力医療機関での検体採取の目途が立っており、研究計画を遂行する予定である。

今後の研究の推進方策

国立成育医療研究センター病院で採取した検体から抽出したgDNAのグローバルなメチル化解析を行う。また、平行して伊那中央病院と市立甲府病院にて喘息児と対象児(非喘息児)の頬粘膜検体採取を行う。検体を採取したらすみやかに昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座の協力にてgDNAを抽出後、本学にてFoxp3およびグローバルなメチル化解析を施行する。
実験終了後は、統計解析等を行い、環境汚染物質のばく露に伴うゲノムDNAのメチル化異常と喘息発症との関連を明らかにしていくとともに、どの程度メチル化異常が発生すると喘息の発症リスクが高くなるのかを推測する。
さらに、以上の結果をまとめ論文化する。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に、メチル化解析を行い、論文作成を行う予定であったが、メチル化解析担当や、各関連施設、協力医療機関との調整に時間がかかったため研究が遅れ、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

このため、メチル化解析の残分の施行および、結果の解析と論文作成を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。また、測定者等の協力者への謝金等に使用する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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