研究課題
平成26年度の研究成果欧米のゲノム全領域関連解析のメタアナリシスで同定された冠動脈疾患感受性遺伝子の一塩基多型群(SNPs)のうち、日本人でマイナーアリル頻度が0.015以上である29種類のSNPsと慢性腎臓病との関連について、慢性腎臓病1588例および対照659例において解析した。その結果、IL6R遺伝子のrs4845625(T→C)多型(P = 0.0008; odds ratio, 1.49)が慢性腎臓病と有意に関連した。IL6R遺伝子のrs4845625多型は血清クレアチニン濃度、eGFRとも有意に関連した。これらの結果から、IL6R遺伝子のrs4845625多型は日本人の慢性腎臓病感受性遺伝子であることが示唆された。研究期間全体の研究成果平成24~26年度の研究で同定した慢性腎臓病感受性遺伝子のSNPs加え、年齢・性別・肥満・喫煙・高血圧・糖尿病・脂質異常症を包括した慢性腎臓病の個別化予防システムのプロトタイプモデルを開発した。本システムでは、慢性腎臓病を発症するリスク、ならびに発症リスクにおける各SNPおよびその他の因子の寄与率が算出できる。本システムにより、慢性腎臓病に関する個人の発症リスクを予測し、遺伝因子以外の治療・改善可能な因子に関して「生活習慣の改善あるいは治療によりどの危険因子を改善・除去すればどれだけ発症リスクが減少するか」についても予測する。健診センターや病院、クリニックにおいて、希望者に対し発症リスクを予測し、結果について医師あるいは遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行う。リスクが高い場合には生活習慣の改善や、危険因子の早期治療を行うことにより慢性腎臓病の予防を積極的に推進する。特に慢性腎臓病の家族歴がある人々への適用が有効である。本システムを用いて慢性腎臓病の個別化予防を行ない、とりわけ心筋梗塞・脳梗塞・末期腎不全などの重篤な疾患を予防することにより、中高年者の健康維持・健康長寿・生活の質の向上・ねたきり防止への貢献が期待できる。
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