研究課題/領域番号 |
24590748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥田 昌之 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50274171)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遺伝子多型 / 小児 / 糖代謝 / 食習慣 |
研究概要 |
食生活習慣が、小児の糖代謝関連遺伝子多型と空腹時血糖および血清インスリン濃度との関連を修飾しているかどうかを調べる目的で研究を行った。本年度561人の10-11歳と13-14歳の小児を対象として解析を行った。GCK、G6PC2/ABCB11の遺伝子多型は、空腹時血糖と関連があり、MTNR1Bの遺伝子多型はインスリン濃度と有意な関連があった。いずれの遺伝子多型もβ細胞機能(HOMA-B)と関連があった。食事調査から得られた食物繊維摂取量、食事のグリセミックインデックス、グリセミックロードは、空腹時血糖、インスリン濃度と関連はなかった。食物繊維摂取量が少ない対象者、食事のグリセミックインデックスの高い対象者では、それぞれそうでない対象者と比べて、遺伝子多型の影響が有意に強かった。遺伝子多型の組み合わせを考慮したとき、それぞれのリスクアレルを合わせた数の空腹時血糖や血清インスリン濃度に及ぼす影響は、食物繊維の摂取量と食事のグリセミックインデックスによって差がありそうだった。このことは、小児の食習慣が遺伝子多型によって影響の程度が変わり、遺伝子多型でリスクのより高い人でこそ、食行動の変容の影響がよい方向に向かうことを示唆する。しかし、ここまでのサンプルサイズでは、これらの交互作用は、有意ではなかった。そこで、サンプルサイズをさらに増やして解析する必要があり、当該年度に、さらに、13-14歳の対象者の保存試料535検体を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに、試料の分析、データの分析を行っている。結果も予想している方向を示しているが、結論付けるには至っていない。また試料分析の費用(単価)が予定よりも高く、分析件数がまだ少ない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に分析した資料を含めて、データ解析を繰り返す。そこで、予定した食習慣の交互作用があるのかどうかを確かめる。また、ほかの遺伝子多型(GCKR)、他の生活習慣(身体活動)についても解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
試料を追加して、糖代謝関連遺伝子多型を分析し、血清の糖代謝マーカーを分析する費用とする。
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