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2013 年度 実施状況報告書

一般住民を対象にした遺伝子多型による運動効果の影響に関する比較疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590750
研究機関鹿児島大学

研究代表者

嶽崎 俊郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50227013)

研究分担者 新村 英士  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (80381177)
キーワード運動 / 動脈硬化 / 遺伝子多型 / ホモシステイン / 葉酸
研究概要

日常身体活動と習慣的運動および食生活と動脈硬化との関係を、cardio-ankle vascular index(CAVI)を代理指標として、血漿ホモシステイン値、葉酸摂取量およびこの代謝に関わるmethylene tetrahydrofolate reductase(MTHFR)およびmethionine synthase (MS)遺伝子多型の効果と合わせて検索した。
対象者はあまみ島嶼地域で海洋療法施設があるW町一般住民で、2005年に行ったJ-MICC studyのベースライン調査に参加した981名である。血漿ホモシステイン値はHPLCで測定し、葉酸摂取量は妥当性の検討がなされているJ-MICC study共通の食品摂取頻度調査票を用いて見積もった。日常身体活動と習慣的運動の指標は、強度と頻度からMETs/日を計算して用いた。解析は重回帰分析を用い、関連要因を調整した上で行った。研究計画に関しては、生命科学・遺伝子解析研究倫理審査委員会の承認を得た上で行った。
日常身体活動はCAVIと負の関連を示し、この関連は性、年齢、血圧等の動脈硬化要因で調整後も統計学的に有意であった(p=0.036)。一方、習慣的運動とCAVIとの関連は認められなかった。また、血漿ホモシステイン値、葉酸摂取量、MTHFRおよびMS遺伝子多型は、これらの関連に有意な影響を与えなかった。
日常生活活動は動脈硬化代理指標と負の関連を認めた。この関連に葉酸代謝関連指標の影響は認められず、葉酸代謝以外の機序の関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一般住民を対象にした遺伝子多型による運動効果の影響に関する研究を行うにあたって、これまでに収集した環境要因情報と健診結果を整理し、解析に使える準備が完成した。さらに遺伝子多型の解析を開始し、動脈効果をアウトカムにするに際し、重要な役割を果たしている葉酸代謝系の2つの遺伝子多型を選び、さらに収集した血漿を用いて測定したホモシステインの値も合わせて解析を行い、環境・宿主要因の相互作用について解析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

死亡も含め追跡情報を収集し、さらに解析する遺伝子の種類を増やし、遺伝子多型による運動効果の影響に関する解析結果をまとめる予定である。
そのため、運動と動脈硬化に関わる遺伝子多型を用いて解析を行うためのPCRに必要な試薬と器具を中心に研究費を使用する。さらに、島嶼地域を訪問し、収集した死亡や罹患情報を収集する。また、解析結果を学会で発表し、論文作成を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Effect of MTHFR polymorphism for homocysteine levels and arterial stiffness by food intake

    • 著者名/発表者名
      Eva Mariane Mantjoro, Hideshi Niimura, Kazuyo Kuwabara, Hiroaki Kanouchi, Kusuke Toyoda, Motahare Kheradmand, Akihiko Nakamura, Shin Ogawa, Noriko Nakahata, Yasuhito Nerome, Tetsuhiro Ohwaki, Ken Kusano and Toshiro Takezaki
    • 学会等名
      第24回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      仙台
  • [学会発表] あまみ島嶼地域における末梢動脈疾患の分布と要因に関する研究

    • 著者名/発表者名
      桑原和代、新村英士、中村昭彦、中畑典子、Motahare Kheradmand、 Mantjoro Eva Mariane、嶋谷圭一、小川信、根路銘安仁、大脇哲洋、草野健、杉山大典、岡村智教、嶽崎俊郎
    • 学会等名
      第24回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      仙台

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公開日: 2015-05-28  

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