肥満に関わる遺伝子多型による運動効果の影響を明らかにするために、日常身体活動や運動習慣、海洋療法を曝露要因、医療費や死亡リスクなどをアウトカムとして、分子疫学研究を行った。対象者は海洋療法施設がある鹿児島県某離島で日本多施設共同研究に参加した一般住民健診受診者445名である。 5年間の海洋療法累積利用回数と前期3年、後期3年間の医療費の変化を比較したところ、海中運動を中心とする海洋療法は高血圧を有するものにおいて、医療費の軽減を認めた。さらに、医療費の軽減は、肥満になりやすい体質(BAR-2とBAR-3遺伝子多型)を有しているものに対して効果があることが示された。
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