研究課題/領域番号 |
24590761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中尾 睦宏 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (80282614)
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研究分担者 |
竹内 武昭 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 講師 (60453700)
古川 洋和 帝京大学, 医学部, 助教 (60507672)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 衛生 / 行動学 / ストレス |
研究概要 |
産業衛生の現場における認知行動療法プログラムを活用したうつ病の予防・改善効果を明らかにするため、4事業所において職場定期健康診断を実施し、DSM-IV-TRうつ病診断面接と質問紙テストバッテリーによるベースライン評価を行った。 具体的な評価指標は以下の6種類であった。 1) 心理状態(17項目版Hamilton Depression Scale、自己評定式うつ病評価尺度SDS、気分調査票POMS、一般性セルフ・エフィカシー尺度、Sense of Coherence質問票日本語版、DSM-IV-TRうつ病診断面接)、2) 身体状態(健診データ [身長、体重、腹囲、血圧、各種血液データ]、Medical Symptom Checklist)、3) 性格傾向(パーソナリティ構造評定質問紙)、4) 労働環境(勤務形態、過重労働時間)、5) 職場ストレス(Job Content Questionnaire、Effort Reward Imbalance Questionnaire)、6) 社会適応度(Social Adjustment Scale)。 ベースライン評価で以下のA基準またはB基準を満たした者をハイリスク群と定義して、スクリーニング結果の説明とした。A. DSM-IV-TRうつ病診断面接にて大うつ病 [定型例・非定型例]、気分変調症、または小うつ病と診断された者(うつ病群)。B. Hamilton Depression Scale得点が10点以上、またはSDS得点が40点以上の者。 その結果、全対象者1,120人のうち105人(9.4%)がハイリスク群となり、主要な結果をするための個別面談を本研究チームで行った。この個別面談結果は来年度から実施予定の認知行動療法ランダム化比較試験のプロトコール作成をする際に重要な知見となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書どおりのスケジュールでほぼ進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン評価を含む全対象者に対する調査は次年度も継続予定であり、ハイリスク群のさらなる確保を目指す。対象となる職場内で研修会の開催を頻回に開くなどして研究内容の周知徹底と参加協力に努めていく。また1週間以上の病気休業者は原則診断書を提出してもらうなど、うつ病未発見・未報告例の防止を続ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
認知行動療法ランダム化比較試験のプロトコールを実施するため、臨床心理士を中心とした指導教育に要する謝金支出が中心となる。2012年度の物品費の購入を2013年度以降としたため、今回繰り越し額が生じた。
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