本研究において、MeT-5A細胞を用いて脂質過酸化物及びアルデヒドの生成を調べた。その結果、TBA値の有意な増加が見出され、過酸化脂質修飾DNA付加体の生成が推定された。脂質過酸化の亢進から、スーパーオキサイド消去酵素であるSOD活性の変化を調べたところ、CNT暴露においてSOD活性が有意に減少した。従って、その減少により細胞内過酸化が進み、遺伝子や蛋白質の酸化が起こり増殖が抑制される可能性も考えられた。また、修復酵素XRCC-1はCNT曝露においてタンパク質で2時間後に、mRNAで1~2時間後において有意に発現が上昇した。この事から早い時点でDNA損傷修復系が活性化していることが予想された。
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