研究分担者 |
武井 直子 川崎医科大学, 医学部, 助教 (00509276)
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)
藤本 亘 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50165429)
林 宏明 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60388965)
李 順姫 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70414026)
松崎 秀紀 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80335463)
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研究実績の概要 |
末梢血を用いた広範な免疫機能解析を行い、最終的に因子分析を行い、悪性中皮腫患者(MM)および胸膜プラーク陽性者(PL)の免疫学的特徴を明らかにすることを試みた。末梢血からPBMCを単離し単球およびCD4+CD8- Th, CD4-CD8+ CTL, CD56+ NK細胞の細胞表面分子発現量およびmRNAレベルをフローサイトメーターおよびrealtimePCRで測定した。一部はPMA/ionomycin刺激下1日培養しmRNAレベルの解析に用いた。有意差を示す項目について、サイトカインについては濃度の低い項目を避け最大平均濃度が10pg/ml以上の項目だけを因子分析に代入した。細胞表面分子、mRNA、血中サイトカインについて、3因子、4因子、3因子がそれぞれが抽出された。細胞表面分子の第一因子にはTh, CTL, NKのCXCR3が、第二因子にはThのGITR, CTLA-4が含まれた。第一因子はMMとPLともHVより低く、第二因子はMMがHVより高値であったがPLはHVよりもMMよりも低値であった。mRNAの第一因子にはNKのNKp46, Granzyme Bが第二因子にはCTLのIFN-γ, Granzyme Bが、第四因子にはThとCTLのTNF-αが含まれた。第一因子はMMで低く、第二因子はMMとPL両者で高く、第四因子はMMで高値であった。サイトカインの第一因子にはGM-CSF, IL-1α, IP-10, MCP1が、第二因子にはIFN-γとIL-17が、第三因子にはIFN-α2, IL-6, IL-8が含まれた。第一因子と第三因子はMMで高く、逆に第二因子はPLで高値であった。因子分析より、MMにおいては免疫抑制関連因子と炎症関連因子が高い一方でNK細胞活性化関連因子が低く、PLとMMの両者でアスベスト曝露関連因子と免疫応答関連因子が高いと説明することができる。
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