研究課題/領域番号 |
24590772
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (20320369)
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研究分担者 |
明星 敏彦 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00209959)
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キーワード | ナノ粒子の生体影響 / 表面官能基の生体影響 / BALF中の炎症細胞 |
研究概要 |
本年度は、シリカ粒子の表面官能基の異なる3種(官能基なし、COOH基、NH2基)のナノ粒子分散液を粉体から作成し、粒径を確認した後、ラットの気管内に注入を行った。気管内注入後、3日、1、3、6ヶ月後に解剖を行い、基礎的な体重や、肺重量の変化に加え、ラットの肺胞気管支洗浄液中の炎症細胞の測定を行った。その結果、体重、肺、肝臓、腎臓、脾臓の重量においては、3群間で有意の差異は認められなかった。気管支肺胞洗浄液中の総細胞数については、注入後3日後において官能基なし群が、他の2群に比較して有意に増加しており、表面官能基の存在により反応を抑えることが考えられた。今後は、注入後12ヶ月後の解剖を行い、上記の項目について検討するとともに、これまでの3種の粒子を注入した肺の病理組織より、炎症性変化と増殖性変化を経時的に観察することにより、表面官能基の影響を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた、粒子の作製、気管内注入、6ヶ月後までの解剖、6ヶ月後までの肺胞洗浄液中の炎症細胞の測定が終了している。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、気管内注入12ヶ月後の解剖を行い、気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞の測定および肺の病理組織について検討していく予定である。
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