ナノサイズ粒子の吸入による肺有害性において、その粒子の表面の化学的因子の影響を検討するため、表面官能基の異なる3種(なし、NH2、COOH)のナノ粒子を用いて、①肺胞マクロファージによる貪食試験(in vitro試験)および②ラットに対して気管内注入試験(in vivo試験)を行った。 その結果、in vitro試験では、表面にCOOH基を持つ粒子が最も貪食された。In vivo試験では、注入後最大12か月後まで経時的に、BALF中の炎症細胞数や病理組織変化などの評価を行った結果、3群ともその反応は注入後比較的早い時期におさまっていた。粒子間では、表面官能基なしの群が最も大きな反応を示した。
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