カドミウム(Cd)曝露により誘導され、その毒性を軽減するメタロチオネイン(MT)という低分子量蛋白質の産生能における個人差の可能性を検討するために、自家産米摂取によりCd経口曝露を受けた秋田県内の農家753人を対象に尿中MT濃度とMT遺伝子多型を調べた。血中・尿中Cd濃度と尿中MT濃度は正の相関関係にあったが、一部でCd曝露レベルが低いにも拘らず、非常に高い尿中MT濃度を示す人がおり、高MT産生者の存在が示唆された。一方、低MT産生者の間からCd曝露による腎尿細管機能障害が発生する傾向が見られた。しかし、2種類のMT遺伝子多型と尿中MT濃度の間には特に有意の関係は見られなかった。
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