研究課題/領域番号 |
24590783
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
深作 貴子 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (10625338)
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研究分担者 |
戸村 成男 浦和大学, 社会福祉学部, 教授 (60100955)
柳 久子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241811)
奥野 純子 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (50360342) [辞退]
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 教授 (50163514)
大藏 倫博 筑波大学, 体育系, 准教授 (60396611)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高齢者 / 介護予防 / 低栄養 / 生活機能 / 身体機能 |
研究実績の概要 |
高齢者は加齢に伴う生理学的機能の変化や習慣的な食事量低下、閉じこもりなどで低栄養状態に陥りやすいだけでなく、転倒・骨折と関わりのあるビタミンDの不足・欠乏が多くの高齢女性にみられる。本研究では二次予防事業対象者による介護予防教室において、ビタミンDを食品摂取状況及び血液状況から把握し、生活機能、身体機能との関連を明らかにすることを目的としている。評価方法は、開始時と3ヵ月後に質問紙による面接調査、血液検査、体力測定を行った。調査項目は、属性・ADL・生活機能(老研式活動能力指標)・食品摂取状況(食品摂取の多様性評価票)、25(OH)D濃度、PTH、アルブミン、カルシウム、握力、長座体前屈、5回椅子立ち上がり、5m通常歩行などの体力測定を実施した。今回は高齢女性に着目し、2006年6月~2014年3月までにデータが完全であった虚弱高齢女性145名(平均年齢78.0±5.7歳)を解析対象とした。平均25(OH)D濃度は53.5±15.9 nmol/L,<50nmol/L は61名(42.1%)と約半数にみられた。教室後に25(OH)D濃度が≧50nmol/Lに維持・改善した群(99名)は<50nmol/Lに悪化した群(46名)に比べ、10食品中9食品群の食品摂取、生活機能総得点、体力項目(FR・タンデムバランス・長座体前屈・5回椅子立ち上がり・5m通常方向・TUG)など多くの項目に有意な改善、向上が認められた。教室前後の25(OH)D濃度の変化と食品摂取状況、生活機能、体力との関連を検討した結果、25(OH)D濃度の不足状態を防ぐことが介護予防につながる可能性のあること、25(OH)D濃度上昇のためには多様な食事の摂取が大切であることが示唆された。それゆえビタミンDを多く含む魚介類、卵類、きのこ類と共に、毎日多様な食事を摂る事が高齢者の介護予防のためにも重要であると考える。
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