研究課題
基盤研究(C)
次の新型インフルエンザに対抗し得る免疫記憶機構を明らかにする一端として、まず、2009年のパンデミック発生時に採取した血清について、次のパンデミックウイルスとなり得ることが指摘されているH2N2ウイルスおよび、古いH3N2ウイルスに対する抗体価を解析した。その結果、1964年以前に生まれた大人の一部は、1957年にヒトから分離されたH2N2ウイルスおよび、1978年に鳥から分離されたH2N2ウイルスに対する抗体を保有していることが明らかとなった。また、1974年にヒトから分離されたH3N2ウイルスに対する抗体は、1968年以前に生まれた大人の一部が保有していた。しかし、それ以外の大人および子どもは、これらのウイルスに対する抗体を全く保有していなかった。これらの結果から、2009年のパンデミックの時のように、古い型のH3N2ウイルスがヒトの間で感染するようになった場合や、新たなH2N2ウイルスが出てきた場合、パンデミックとなる恐れがあることが明らかとなった。今後は、これらのウイルスに対する監視も必要であることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定では、平成24年度中にMHC-Tetramer試薬を用いてCTL集団を検出・定量する予定であったが、次のパンデミック予測解析を優先したため、そこまで達することができなかった。しかし、H2N2や古いH3N2ウイルスに対する抗体保有率が明らかになったため、おおむね順調に進展していると考えた。
2013年春、中国でH7N9ウイルスが発生したことを受け、当初計画と合わせ、本ウイルスに対しても解析を進めていくこととする。
該当なし
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