研究課題/領域番号 |
24590787
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
関根 道和 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30303225)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日本 / 英国 / フィンランド / 社会経済的要因 / 健康格差 / 心理社会的ストレス / 生活習慣 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
過去の我々の日本、英国、フィンランドの公務員を対象とした横断研究では、英国とフィンランドの公務員は健康リスク行動(喫煙、飲酒、運動、食事)や肥満について職階による格差を認めたが、日本の公務員では明確な職階による格差が認められなかった。そこで、今年度は喫煙の職階による格差について縦断研究を行った。その結果、英国とフィンランドにおいては追跡期間中に職階が低い人に喫煙が多いという格差が拡大する傾向にあったが、日本においては格差の拡大を認めなかった(Nicotine and Tobacco Research 2016)。また、今年度は、心理社会的ストレスによる健康影響の緩和要因になるとされる社会的ネットワークに関する研究として、親戚や友人関係と精神的健康度の関係についての国家間比較を行った。その結果、国や性により関連性の強さに違いがあるものの、親戚や友人との接触の程度が多いと精神的健康度が高いという関係性を認めた(Public Health 2016)。社会経済的要因による睡眠格差についての過去の我々の研究に基づくレビューを行った(日本社会精神医学会誌2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究計画に従って、社会経済的要因による喫煙格差や追跡期間中の変化について国際比較を行っていること、また社会的ネットワークという心理社会的ストレスの負の健康影響に対する緩和要因について国際比較を行っていること、睡眠格差に関する現在までのレビューを行っていることから、当初の予定通りであると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画にある通り、心理社会的ストレスや生活習慣の健康格差への影響や、緩和要因・増悪要因について、国内研究や国際研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加にかかる費用が予定よし少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会参加費、情報収集費、ソフトウエア購入、消耗品費、謝金等で使用する予定。
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