研究課題
本研究は、地域一般住民を対象として、血管内皮機能障害と高血圧などの循環器疾患のリスクファクターとの関連を検討した。対象集団は、秋田県I町地域住民、茨城県C市K筑地域住民、大阪府Y市M地区地域住民である。平成24年~26年までに秋田、大阪、茨城の各地域で30~75歳男女を対象として、血流依存性血管拡張反応(FMD)検査を実施し、血管内皮機能の評価指標である血管拡張率(FMD)を用いて、循環器疾患のリスクファクターとの関連を検討した。その結果、血流依存性血管拡張反応(FMD)は収縮期血圧、拡張期血圧及び中心血圧と負の相関を示した。また、多変量調整のオッズ比は、正常血圧群に比較して高血圧群では2.0であり、中心血圧の低値群に対して高値群(4分位)では1.9であった(第73回日本公衆衛生学会総会2014、栃木で発表)。さらに、アルコール摂取量と血管内皮機能障害との関連について、第25回日本疫学会2015、名古屋で発表した。多重回帰分析において、アルコール摂取量と血流依存性血管拡張反応(FMD)と負の相関を示した。また、非飲酒者に比べ、多量飲酒者(毎日2合以上)年齢調整のオッズ比は2.1であった。以上により、高血圧、中心血圧の高値、多量飲酒が血管内皮機能障害のリスクファクターであることとともに、地域住民において循環器疾患ハイリスク群の把握に血流依存性血管拡張反応(FMD)検査を実施することの有用性を示された。
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