研究課題/領域番号 |
24590792
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今野 弘規 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90450923)
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研究分担者 |
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20375504)
岡田 武夫 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (70450921)
北村 明彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病, その他部局等, その他 (80450922)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高感度心臓トロポニンT / 冠動脈石灰化スコア / 頸動脈エコー / 冠動脈疾患 / 血清脂肪酸 / 食事調査 / コホート内症例対照研究 / 横断研究 |
研究実績の概要 |
心筋梗塞や不安定狭心症の患者における心筋障害マーカーである高感度心臓トロポニンT (hs-cTnT)は、一般集団における冠動脈疾患発症の特異的な新規予測マーカーとなる可能性がある。そこで、本研究では、下記の2つの疫学研究により、hs-cTnTの予測マーカーとしての有用性を検討した。平成26年度は、コホートにおける冠動脈疾患の新規発症者の追加調査およびコホート内症例対照研究におけるマッチング作業と、検体の保管先からの選び出し、hs-cTnTの測定を実施した。 1)コホート内症例対照研究:秋田、茨城、大阪の3地域における2001~2011年の冠動脈疾患新規発症者120名と、地域、姓、年齢、受診年を1:2でマッチングした非発症者240名を対象として、hs-cTnTと冠動脈疾患発症との関連を調べた。その結果、hs-cTnT値は、0.003未満-0.155(中央値0.007)ng/mL に分布し、四分位における最低値群(0.004ng/mL未満)に対する冠動脈疾患発症オッズ比は、第2四分位から第4四分位にかけて高くなり、第4四分位群(0.012-0.155)で2.1(1.1-4.0)と有意であった。多変量調整後、各オッズ比は低下したが同様の傾向が認められた。 2)横断研究: 2003~2011 年度における大阪府立健康科学センターの20-89歳の循環器ドック受診者870人を対象として、hs-cTnTとCTによる冠動脈石灰化所見(CAS)、頸部超音波検査によるIMT(両総頸動脈、両球部~内頸動脈の各内膜中膜複合体)との関連を検討した。その結果、hs-cTnT値は、0.003未満-0.047(中央値0.003)ng/mL に分布し、hscTnT値とのSpearmanの相関係数は、CASが0.33(p<0.0001)、IMTが0.28~0.36(各p<0.0001)とそれぞれ有意な相関を認めた。
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