研究課題/領域番号 |
24590793
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 純子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70155266)
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研究分担者 |
片山 惠子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (50304415)
松尾 順子 広島大学, その他の研究科, 助教 (70570232)
秋田 智之 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 特任助教 (80609925)
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キーワード | 肝炎ウイルス / 血清疫学調査 / 国際共同研究 / ベトナム社会主義共和国 / カンボジア王国 |
研究概要 |
本研究では、これまでに協力関係を構築してきた米国、ウクライナ、カンボジア、ベトナムの4国における、肝炎ウイルス感染率、罹患率、肝がん死亡率及び肝癌死亡に占める肝炎ウイルス感染率を元に解析を行い、わが国のデータとともに肝炎ウイルスの汎流行時期と肝癌死亡率との関連性について年齢・時代・コホートモデルを用いた数理疫学的分析を行う予定である。当該年度は、研究協力国であるカンボジア及びベトナムにおける肝炎ウイルス感染率を明らかにするために、両国現地での疫学調査を行った。 ウクライナ共和国では、政治的要因により渡航できない状況となった。 カンボジアでは、カンボジア保健省の研究協力者と共同で現地の一般住民を対象とした血清疫学的調査を行い、参加者の同意をとり、血液を採取し血清を持ち帰って肝炎ウイルス感染状況を調査した。肝炎ウイルス感染者には、昨年に引き続き保健指導を行った。 同様に、ベトナムにおいてもベトナムビントウアン県の保健局長と共同し、一般住民を対象とした血清疫学的調査を行い、現地における肝炎ウイルス感染状況を明らかにし、結果の通知とともに健康指導を行った。B型肝炎ウイルス(HBV)感染率の高いベトナムについて、感染病態、HBV genotype分析も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、当初の計画通りにカンボジア及びベトナムに赴き、現地において肝炎ウイルス感染の血清疫学調査を行った。カンボジア では引き続き血清疫学調査を実施し感染状況を明らかにした。当該年度は一地域の一般住民及び小学生を対象として調査を行った。 ベトナムでは前年度に引き続き血清疫学調査を行い、肝炎ウイルス感染状況すなわち、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスのprevalenceを明らかにすると同時に、急性B型肝炎ウイルス感染例を補足した。当該年の計画をおおむね遂行できたと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
肝がん死亡に占める肝炎ウイルス罹患状況(HCV,HBV)を推定するために、現地協力研究者の協力の下で研究を行う。 カンボジア及びベトナムにおいては、まだ肝がん死亡に占める肝炎ウイルス感染の割合は把握できないと考えられるが、当該国の性・年齢別、年次別肝癌死亡統計資料の収集をはかる。次年度は、6月にカンボジアとベトナムへの調査渡航を計画している。 得られた資料からのデータを最終的にとりまとめ、各疫学指標の算出と数理疫学解析を行う。HBVキャリア率、HCVキャリア率、肝がん死亡率、肝がん死亡の病因に占めるHBV,HCVの割合などの算出および数理モデルによる解析を行い、肝がん好発年齢と感染時期の時間交絡の関与の検討、肝炎ウイルス感染対策についての考察を行う。
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