研究課題/領域番号 |
24590795
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
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研究分担者 |
淡野 桜子 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (00591819)
堀内 史枝 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (50363247)
谷川 武 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80227214)
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キーワード | 小児睡眠呼吸障害 |
研究概要 |
昨年に引き続いて,小児睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる患者を対象とした簡易検査機材を用いた調査を継続した.新たにリクルートした参加者を加えて,総計224名の検査を実施した. 対象者には,昨年度と同様に地域での調査を実施し(月間最大20名),睡眠専門医による問診,身体測定,歯科医による口腔・顎顔面形態の評価,CogHealth認知機能テストを行った.睡眠専門医による問診では,睡眠障害全般,特に睡眠呼吸障害に関連する症状について詳細に問診を行った.歯科医による詳細な診察では,扁桃腺肥大や顎顔面形態についての詳細な評価に加え,口腔の状態についての写真撮影,口腔閉鎖力測定もあわせて実施した.簡易検査機材についての保護者・本人への説明を行い,自宅での携帯型終夜睡眠ポリグラフィ(SASスクリーニング)ならびに携帯型脳波計を2夜測定したほか,アクチグラフィを2週間測定し,睡眠覚醒リズムの測定もあわせて行った.また,SASと判定された患者については,睡眠専門医療機関での精査,治療導入を行い,治療効果の継時的判定を実施している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
自宅での簡易検査機材を用いた評価は,ほぼ予定症例数を実施できている.携帯型装置によるSASスクリーニングに加えて,昨年と同様に携帯型脳波記録も追加記録しており,計画よりも詳細なSAS判定ならびに睡眠の質的評価を実施している.顎顔面評価についても,口腔閉鎖力評価も追加して行っており,SASの背景因子を検討するための十分なデータが得られている.CogHealth認知機能テストも未就学時で施行が困難な児が一部あったが,概ね良好に検査の施行・データの獲得が行えている.SAS患者の睡眠医療機関における精査・治療効果判定も円滑に実施できている.
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今後の研究の推進方策 |
簡易検査機材を用いた調査により予定したデータが取得できており,SASの頻度の推定に加え,SASの睡眠や認知機能への影響についての解析を進める. 簡易検査によりSASと考えられた対象者には,医療機関での精査をすすめており,終夜睡眠ポリグラフィによる詳細なSAS・睡眠評価を実施し,治療が必要な患者に対しての治療導入をさらに多数例で実施する.治療としては,耳鼻科的手術療法を主に実施しており,治療後の終夜睡眠ポリグラフィによるSAS治療効果,口腔評価,行動指標評価により,症状の改善を総合的に評価するとともに,小児SASのスクリーニング実施の意義についても明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究に使用する検査機材について,より研究に適した機材の発売が次年度に予定されていたため,より有効な研究データを得るために,購入時期を次年度に延期した. 当研究に適した検査機材が入手可能となったため,早急に購入を実施し,本年度の研究に使用する予定である.
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