研究課題
【目的】福岡県久山町の追跡調査において、インスリン分泌能に影響しうる遺伝・環境要因について検討をおこなった。【対象】久山町の40歳以上の住民のうち、2002年と2007年の両方の住民健診を受診し、インスリンの分泌指標であるHOMA-βを測定できかつ糖尿病がない2,074名を対象とした。臨床的に分泌に影響を与えうる因子として、性、年齢、BMI(body mass index)、運動、飲酒、喫煙、糸球体濾過量、総コレステロールを用い、遺伝的な影響を検討するために、ゲノムワイド関連解析研究(GWAS)で糖尿病との関連が明らかになったSNPsを用いた。【結果】経時的なインスリン分泌能低下と有意に関連する臨床的な因子はBMIであった(p<0.001)。この結果をもとに性・年齢・BMIを調整してGWAS研究で同定された27遺伝子上の36SNPsを検討すると、インスリン分泌能低下と有意に関連するSNPsは、rs2283228(KCNQ1)、rs12779790(CDC123,CAMK1D)であった。【結論】BMIのレベルと2つの遺伝子は、日本人の経時的なインスリン分泌能の低下と関連することが示唆された。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件)
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