台風災害(2013年)から復興しつつあるフォリピン、レイテ島にて学生を対象にMastery Approach to Coaching (MAC)による、self-esteem(自尊感情)の向上を目的とした介入研究を行った。合計4学校を対象とし2学校はMACの介入に割り当て、他2学校は対照群とした。参加者は第10学年の学生(n=744)となった。 MAC はスポーツ活動における学生等の指導において開発されたものであるため、学校の1クラスごとにバレーボール活動及びチームを組織した。2015年1-2月にバレーボール練習、3月にクラス対抗試合を実施した。self-esteemの測定には、Rosenbergのself-esteem尺度を用いた。これを用い、介入前後の変化について調査した。 2015年1月に、介入群でMACワークショップを実施した。学生チームリーダー(各クラスの男性、女性2名ずつ合計32名)、22名の教師が参加しMACを用いたコーチ方法について受講した。 対応のあるt-検定により介入前後の変化を検証した。self-esteem 尺度のCronbachのαは調査前予備試験(n=20)では0.64、スポーツ活動導入前0.53、後で0.58であった。 スポーツ活動に合計673人の学生が参加し、調査票を記入した524人の学生を分析した。平均年齢は、16.4 標準偏差1.5であった。スポーツ活動日数は、介入対象学校1学校と対照群2学校では平均で20日以上を示したものの介入対象校の1校で学校の協力が得られず6.4日であった。同校を分析から除外し介入群は1学校(n=59)のみの分析を行った。自尊心の平均得点は20.3から21.2(P=0.01)と向上し、一方対照群は向上を示さなかった。なお、対照群では低下する傾向のあった女子の特点が、介入学校のみで向上した。現在結果の論文準備中である。
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