研究課題/領域番号 |
24590801
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
加茂 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10404740)
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研究分担者 |
佐藤 健一 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (30284219)
冨田 哲治 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (60346533)
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キーワード | がん / 統計 / 回帰分析 / 情報量規準 |
研究概要 |
癌リスクの視覚化モデルに関して、APCモデル・地理的加重一般化線形モデル・パラメトリックモデルについて、日本データを用いた解析を行い、その結果について数理面および疫学的な見地からの比較検討を行った。各モデルの長所としては、APCモデルについては、年齢・時代・出生コホート3成分の分割が可能である点、地理的加重一般化線形モデルについては、細やかなリスク曲面の表現が可能な点、パラメトリックモデルに関しては様々な統計手法が今後適用となる可能性が存在する点であった。 これらの結果を鑑み、統計モデルとしての発展が期待されるパラメトリックモデルに着目し、癌リスク視覚化モデルの応用的な活用のステップへと移行した。平成25年度は「予測」すなわち、リスク曲面の外挿に着目し、統計手法の開発および実データによる検証確認を行った。具体的には、パラメトリックモデルにおける変数選択問題について、予測が機能する形へと情報量規準を改良した。まず、年齢・時代・出生コホートに関する識別問題に関しては、変化係数の概念に基づき、交互作用項を導入することによる問題解決を試みた。年齢と時代を基底をし、その交互作用項が出生コホート効果であるとみなし、出生コホート効果の高い肝がんで検証したところ、出生コホート効果が再現できた。また新たな規準量により選択されたモデルを用いた検証を行ったところ、数値実験および実データ解析共において、従来のAICに比べてパフォーマンスが高いことが示された。これらの結果を再び視覚化することにより、癌リスクの将来部分の変遷が捉えやすくなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
癌リスクの視覚化に関して、候補となるモデルに関する特性の把握は終了し、2次的な活用の段階へと踏み込めている。平成25~26年度の課題として、予測と検定を予定しており、このうちの予測部分に関して一定の成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
癌リスクの視覚化モデルに関する比較検討は順調に進んでおり、平成26年度は2次的な活用部分から、最後のテーマである仮説検定の適用による意思決定に取り組む予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究打合せを効率的に行った結果、予定より少ない回数の研究打合せで十分であった。また、PC周辺機種に関してはOS切替時期と被ることから次年度に繰り越し、最新スペックのものを準備することとした。 数値実験に用いるPCのスペックを上げ、ソフトウエアを充実させるための費用に充てる予定である。
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