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2012 年度 実施状況報告書

認知症の転倒予防・生活の質の向上の断面調査と比較介入研究

研究課題

研究課題/領域番号 24590803
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉県立保健医療大学

研究代表者

岡村 太郎  千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30367429)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード認知症 / 転倒 / 有害事象 / 日常生活 / 環境 / 歩行 / 作業療法 / BPSD
研究概要

研究目的は,入院中や施設通所中の認知症に焦点を当て,横断的調査より実態を把握し,転倒予防や生活の質の向上の介入手法の開発と標準化を行うことである.さらに無作為化比較対照試験により開発した介入の効果について検討する.
平成24年度の横断的調査:認知症を対象とした転倒と生活などの調査依頼状を配布した.その結果,18施設(11病院.7施設)から症例370人の調査報告があった.うち有効回答は325人(男/女性:88/237人),平均年齢(S.D)82.38(±7.64).診断名はアルツハイマー型認知症207人,脳血管性認知症55人,レビー小体型認知症26人,その他の認知症37人であった.解析方法:目的変数を「過去の転倒の有無(有=1,無=0)」,説明変数を「認知症行動障害尺度の各項目尺度」と「バーセルインデックスの各項目尺度」とし,多重ロジステック解析により年齢,性を補正し関係を調べた.(P<0.005)
結果:<過去の転倒有無と関係があった認知症行動障害尺度の各項目尺度とそのオッズ比>「同じことを何度も聞く」オッズ比1.38.「よく物をなくしたり,置き場所を間違えたり,隠したりする」オッズ比1.305.「根拠なしに人にいいがかりをつける」オッズ比1.519.「場違いあるいは季節に合わない不適切な服装をする」.オッズ比1.399となった.
<過去の転倒有無と関係があったバーセルインデックスの各項目尺度とそのオッズ比>「食事」オッズ比1.069.「車椅子からベッドへの移動」オッズ比1.058.「入浴」オッズ比0.843であった.
以上より,日常起こる問題行動や日常生活活動の項目から転倒との関係がある行動や活動の実態が見いだされた.この事は現状に則した転倒予防や生活の環境の向上の介入手法の開発に有用なエビデンスの一つになる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

横断調査の収集でき,おおむね順調と言える.縦断調査と介入実験にあたり、準備に時間を要している.

今後の研究の推進方策

前年度実施した横断調査から認知症の転倒などの歩行問題と日常生活の関係について学会等で発表する.調査を行い,転倒などの歩行の問題のリスク因子の検討し ,認知症の歩行障害や生活の質の低下の要素を明らかにし介入方法を検討し、介入計画を実施する.介入方法は,検討した介入方法を参照に転倒予防のための、日常生活活動の改善の指導を行う.
研究計画の課題として,日常生活の指導、質の改善を実施する場合,日用品(照明や靴等)が購入が必要となる.

次年度の研究費の使用計画

次年度は生活習慣記録機 ライフコーダGS株式会社スズケン製等の活動計と解析ソフトを購入予定.また、各病院・施設で研究の打ち合わせと学会発表するための旅費交通費として使用する.転倒防止のための介入の方法として、転倒しやすいところに照明や転倒防止のための靴など日常生活用品の購入が必要となる.

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公開日: 2014-07-24  

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