研究課題/領域番号 |
24590804
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
笠松 慶子 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (90296385)
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キーワード | 月経周期 / 心拍数 / 月経周期愁訴 |
研究概要 |
本研究では,女性特有の生体リズムである月経周期に着目し,作業の種類別に女性のための労働安全衛生管理システムとして活用できるツールの提案を行うことを目的としている.今年度実施した研究内容は以下のとおりである. 昨年度のデータをまとめ,行動量および月経関連愁訴を分析した結果,月経周期に関連があるケースとそうでないケースが認められた.また,日常の中での変化を検討する必要があることが認められたため,月経周期の3つの時期のみではなく,日々の変化を調べるため,月経関連愁訴および行動量に加えて,携帯型心拍計を用いて変化を23名の対象者に対して調査を行った.その結果,身体的および心理的負担を感じた際には,心拍数に影響があるなどの知見を得ることができた.さらなる解析については現在実施中である. 月経周期の変化を簡易的にでも本人が認識することにより,健康管理に貢献できることを示すことができたため,最終年度では,生活の中の行動に着目し,持っていて便利に感じてもらえる親和性の高いツールを提案するため,プロトタイプを制作し,実験的に使用してもらい,その使用感について評価,検証することを目標とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度のデータ分析結果より,日常の中での変化を検討する必要があることが認められたため,月経周期の3つの時期のみに実験を行うのではなく,日々の変化を調べる方法に変更を行った.つまり,月経関連愁訴および行動量に加えて,携帯型心拍計を用いた.その結果,日々の中での変化の重要性を確認できたため,得られた結果から持っていて便利であると感じる親和性の高いツールの考案を行っていく.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,調達方法の工夫による経費減のため,直接経費の未使用額が発生したが,次年度はツールのプロトタイプ制作と被験者謝金として経費が必要であるため,次年度に補填する予定である. 次年度は,生活行動の中で負担なく測定でき,心身の状態を管理できるようなツールの制作を行うためのツールの検討を重ねる予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
主な支出として,実験システムの実装の費用および被験者謝金を予定していたが,実験システムの実装の代わりに,測定装置を購入したため未使用経費が発生したが,次年度はプロトタイプの制作材料や実働するシステムを制作することと被験者謝金が必要となるため,そのための補填として使用する必要がある. 経費として主に以下の項目について使用する予定である. (1)健康管理のためのツールを考案し,そのプロトタイプを制作する.(2)制作したプロトタイプに対する評価および検証を行い,実働するシステムとする.(3)評価,検証を行う際の被験者謝金として準備する.(4)その他,過去2年間の研究成果をまとめ,学会発表を行う旅費および論文投稿のための経費とする.
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