研究課題/領域番号 |
24590808
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
中野 有美 椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (60423860)
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研究分担者 |
杉浦 真弓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264740)
北川 眞理子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (70141413)
明智 龍男 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80281682)
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キーワード | 反復流産 / 抑うつ症状 / 不安症状 / 認知行動療法 |
研究概要 |
反復流産を経験し抑うつ感や不安感を自覚している女性の心理的苦痛を軽減する最適な支援を認知行動療法の原理を用いながら工夫し形作ることが本研究の目的である。 2013年度は、包含基準を満たす患者に60分程度のインタビューを実施し、音声の逐語訳を作成した上で質的帰納的分析手法を用いて、心理的苦痛とはどのようなものであるか、解釈の抽象度を上げカテゴリ化を図質的記述的な分析を進めた。エピソード数が100件を超える見込みが出たため、一旦、新たにインタビューを継続することを中止すると共に、収集したインタビュー内容を元に、さらに質的記述的分析を進めている。 一方、それらの分析と並行して、習慣性流産を経験し抑うつ感や不安感を訴える患者に対し、認知行動療法(CBT)試行を開始した。治療の初期の段階で、患者の苦痛のどの部分に焦点を当てるべきか検討する際、インタビューの分析で明らかになりつつある共通の心理的苦痛の項目が非常に参考になる。これらは、CBTでいうところの条件的信念、スキーマに相当するものである。しばしば観察される事柄として、一人前の女性として認められないという自尊心低下、流産し失った胎児への罪悪感、子どもがいないこと自体が不幸に直結しているというような考え方、妊娠しないことと妊娠することの両方への恐怖、子どもを希望して努力する生活がいつまで続くのかという不安、親子連れが多い場所や同世代の女性が集まる場所、親族が集まる場所を避けようとするため行動の範囲が変化したり狭まったりする、等が挙がっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
反復流産の患者が受診する専門外来を開設している名古屋市立大学病院から、近郊ではあるが、別の勤務先へ転勤してしまったために、患者に直接会う機会が限られるようになったという理由が大きいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー内容の質的帰納的分析を進めると共に、分析で得られた知見を認知行動療法に利用しながら、治療を試行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画していた出張を次年度に実施することにした。 予定通り、計画している出張を実施する。
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