研究課題
平成26年度の研究成果は以下の通りである。1.脳卒中登録データ悉皆調査体制の維持平成24年度に整備した岩手県沿岸部全域と内陸北部での脳卒中悉皆登録体制を維持するために以下を実施した。(1)調査対象の医療機関の長、診療科長、および事務部門の長から調査研究継続の承諾を得た。(2)リサーチナース配属病院では、本研究者とリサーチナースによる調査を行ない、リサーチナース非配属病院では、本研究者が訪問して調査を行ない、いずれの対象医療機関で平成26年12月31日までに退院した脳卒中入院患者の悉皆調査と登録を行なった。2.脳卒中登録データの解析及び公表悉皆調査した岩手県地域脳卒中発症登録データを解析し、結果を以下の通り公表した。(1)岩手県沿岸部での震災後4週間の脳卒中増加と津波被害および地震の影響との関連を解析し、地震の揺れによる影響はほとんどなく、津波被害による影響が大きいことを明らかにした論文が、平成26年7月に英文誌Cerebrovascular diseasesに掲載された。(2)震災後の脳卒中罹患率は内陸部では震災後徐々に減少していたが、沿岸部では震災年の平成23年度末まで罹患率は減少せず、平成24年度になってから減少していたことを明らかにした論文を現在投稿中(Under review)である。本研究期間全体の研究成果は以下の通りである。岩手県沿岸部全域と内陸北部の脳卒中悉皆登録体制を確立した。悉皆性の高い脳卒中登録データを解析し、東日本大震災により岩手県沿岸部では、震災後4週間の脳卒中が増加したことを明らかにし、増加した要因は主に津波被害であることを明らかにした。さらに、中長期的視点では震災から1年間脳卒中罹患が増加し、その後に減少に転じていたことを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Cerebrovascular Diseases
巻: 37 ページ: 451-459
10.1159/000363278