研究課題/領域番号 |
24590811
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
小野田 敏行 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (00254748)
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キーワード | コホート研究 / 東日本大震災 / 津波 / 地域疾病登録 |
研究概要 |
岩手県北・沿岸の二戸・久慈・宮古保健医療圏(人口約23万人)を対象に平成14年に開始した岩手県北地域コホート研究では初回調査で収集した様々な要因とその後の死亡・罹患情報との関連を検討している。要因情報の一つとして町字単位に標高・土地利用などの情報を測定し、結果情報との関連を検討している。今回、東日本大震災の発災を受け、同情報に国土地理院の2万5千分の1浸水範囲概況図及びデジタル標高地形図を用いて既入力箇所について津波のあり・なし・境界に分類し入力した。また、コホート対象外の釜石・気仙保健医療圏については、行政区毎に地域の浸水状況を入力した。このとき、行政区は相当の面積を持つことから、地形図およびgoogle mapを参照し、行政区内の人口分布を推定して浸水割合を推定した。今後、これらの情報を統合し、地域毎の人口および昼間人口を分母とする浸水人口率を算出することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
県南の保健医療圏については行政区単位毎に浸水状況を判定して浸水率を推定することとしたが、地形図およびgoogle mapを閲覧して浸水地域にあった家屋の分布状況の判定に相当の時間を要した。現在データの入力およびデータセットの作成を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
コホート対象内地域および対象外地域それぞれについて発災前後の国勢調査情報、死亡情報、罹患情報を収集する。特に岩手県地域脳卒中登録事業による脳卒中罹患情報については震災年の報告書が平成26年6月発行予定となっており結果情報として利用可能である。さらに震災年後の罹患状況について統計情報の利用申請を行って浸水状況との関連を検討する。岩手県心疾患発症協議会の行う心疾患発症登録(心筋梗塞・心不全・急性死)についても統計情報の利用申請を行う。これらにより震災前後での地域への健康負荷と浸水状況との関連を検討する。また、入力されたデータを視覚的に図示し、結果の還元に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
コホート対象地域外において入力すべき地理情報についての検討が遅くなり、実作業開始が遅れたため人件費の支出が当初予定より少なくなった。 県南地区について浸水状況の確認を当初行った県北地区と比較してより詳細に読み取って推定した。このため今年度では県北地区について浸水状況を再度、詳細に確認する。このため人件費および地理資料費を要する。またデータの図示について検討・開発する。
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