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2014 年度 実績報告書

中米先住民集団の遺伝的多様性の解明:分子生物学的およびウイルス学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 24590813
研究機関千葉工業大学

研究代表者

黒崎 直子  千葉工業大学, 工学部, 教授 (60337706)

研究分担者 黒崎 久仁彦  東邦大学, 医学部, 教授 (60240701)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際保健学
研究実績の概要

ヘルペスウイルスの仲間であるEpstein-Barr virus(EBV)は広く世界に存在し、成人の感染率は90%以上である。しかし前年度の研究では、メキシコ先住民族の DNA サンプルのEBV遺伝子の検出率は約0.03%となり、EBV遺伝子の検出遺伝子領域の再検討が課題として残された。そこで今年度は、EBV遺伝子の検出遺伝子領域を変更して再度EBV遺伝子の検出を行った。その結果、EBV遺伝子の検出は約17.6%であったことから、前回より高い確率でウイルス遺伝子を検出することに成功した。これまでの研究で、メキシコ先住民族のEBV感染率は世界の感染率に比べて非常に低いことが推測される。
また、今年度は新たにデジタルPCR法にてB型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子の検出についても検討した。HBVには世界中で20億人が感染していると推計されており、中国やアジア地域においては成人の10%程度が感染している。ヨーロッパも感染率が高いことが知られているが、北米の感染率は1%未満であるように地域差がある。本研究でメキシコ先住民族におけるHBV遺伝子の検出が約23.8%であることが明らかになった。以上のことより、メキシコ先住民族では、世界の感染率と比べてEBVの感染率は低いが、HBVの感染率は高いという非常に興味深い結果が得られた。
さらに、昨年度実施したメキシコ先住民族由来のサンプルのSTR(マイクロサテライト)領域の分析において、型判定が不能であった座位について今年度はプライマーの設定を変えて検討したところ、特定の民族の1STR座位においてSTR配列の近傍に高頻度でこの民族特有の6塩基の挿入が出現していることが明らかになった。この配列はこれまでに報告のないものであり、今後さらに検討を進めることでメキシコ先住民族の系統分析に有用な情報が得られるものと期待される。

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公開日: 2016-06-01  

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