研究課題/領域番号 |
24590825
|
研究機関 | 北海道立衛生研究所 |
研究代表者 |
石田 勢津子 北海道立衛生研究所, 感染症部ウイルスG, 主幹 (70414315)
|
研究分担者 |
吉澄 志磨 北海道立衛生研究所, 感染症部ウイルスG, 腸管系ウイルス主査 (90414317)
後藤 明子 北海道立衛生研究所, 感染症部ウイルスG, 研究職員 (60414322)
長野 秀樹 北海道立衛生研究所, 企画総務部企画情報G, 主幹 (30189146)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | E型肝炎ウイルス / 分子疫学 / ウイルス検出 |
研究実績の概要 |
平成26年度にE型肝炎患者または無症状病原体保有者として届け出られたヒト由来の13 症例15検体についてRT-PCRによる遺伝子検査を行った。HEV ORF2領域塩基配列の分子疫学的解析により、2株が3型、4株が4型に分類され、6例は陰性、1例は陽性であったが型別に用いる領域が増幅できなかった。2014年の全国、北海道、札幌の件数は、154、19、5件であった。かつては全国総届出件数に占める北海道の報告数の多さから、北海道はE型肝炎ウイルスの高侵淫地域と考えられてきた。2011年10月に抗HEV IgA抗体検出用診断薬の保険収載の効果もあり、2012年以降、全国における届出件数は急激な増加を見せ2014年最多となったが、北海道及び札幌市の件数の変動は少なかった。 日本国内では散発程度ではあるが、3型HEVと4型HEVが土着していることが明らかになった。新規に、2色蛍光による3型HEVと4型HEVの同時検出/型別法を開発し、2005~2014年に発生届を経て検査に供された血清検体と分与された血清、計217検体について、有用性を検討した。各検体はRT-PCR法により陽性、陰性を判定し、陽性検体についてはORF2領域の塩基配列から遺伝子型別を行った。 新規2色蛍光同時検出/型別法により、3型と4型の型別は可能であり、RT-PCR法の検出率とほぼ一致した。3型株は系統樹上広く分散しているが、本検出法で対応可能であった。4型に蛍光強度が低い集団がありこれらの配列中にプローブとのミスマッチを認めたが、その蛍光強度は陽性と判定可能な数値であり、グラフ上での目視による分類も可能であった。3型においても、ブタ血清で低蛍光強度を示すものがあった。低値となる集団をより容易に判定できる系の検討を予定している。本検出法は、同時に3型と4型を十分な感度で検出し、型別できる方法と考える。
|