卵巣がんの危険因子を組織型別に明らかにすることを目的として、1997年から2013年に診断され宮城県立がんセンターに入院した卵巣上皮性悪性腫瘍315人を症例、同時期に初回入院した非がん患者3295人を対照とした症例対照研究を実施した。 その結果、上皮性悪性腫瘍全体、特に明細胞腺癌で早い初経年齢、未産婦および経口避妊薬以外の女性ホルモン剤使用でのリスク上昇を示した。また明細胞腺癌では経産婦において出産数の増加に伴うリスクの低下を認めた。食事要因は上皮性悪性腫瘍全体で牛乳、大豆類、鮮魚の摂取頻度の増加によりリスクが低下する傾向を示したが、組織型間の比較ではこれらの傾向に有意な違いを認めなかった。
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