研究課題/領域番号 |
24590827
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
佐藤 元 国立保健医療科学院, 政策技術評価研究部, 部長 (70272424)
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キーワード | コミュニケーション / 社会医学 / マスメディア / 健康リスク / 国際比較 / 健康危機 / 比較政策学 / 大規模災害 |
研究概要 |
本研究は、健康リスクへの対処に関わる政策、特にリスクの受容と忌避や政策選択に係るリスクコミュニケーションのあり方、特にマスメディアが政策議論に果たす機能について実態調査を行い、国際的な比較実証分析を意図する。これにはリスクコミュニケーションのあり方、リスクの合理的受容、危機コミュニケーションにおける市民の位置付けも分析である。 本研究では、まず食の安全・リスクに関わる問題としてBSEと輸入食品問題への対処を、さらに大規模自然災害・原子力事故・災害を検討課題として取り上げ、日本、米国、英国、韓国をはじめとする各国の主要日刊紙における報道・社説・論説記事の抽出、分類、さらにこれらの比較分析を行う。健康有害事象の発生前、発生時また発生後の政策対応の推移を参照しつつ、上記マスメディアの果たす機能や役割を実証的に分析すると共に、リスクコミュニケーションにおけるメディア分析の戦略的利用の可能性を検討する。 初年度には、健康危機事象の具体例である狂牛病(BSE)および原子力発電の安全性・事故に関する国内外の新聞報道記事の収集を完了した。本年度は、日本・米国のデータ解析を終え、健康リスクの社会的増幅・減衰を監視する手段としてのメディアの有効性、またリスク管理における国際協調の一助となる可能性を明らかにした。また、地域住民の安全・リスクに関する取り組みに関する住民意識調査を基に、セーフコミュニティー構築に向けた政策的取り組みについて、その促進・阻害要因を明らかにして学術報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度( H24年度)において、海外連携研究者の Campbell教授( Bulter大学)の予定外の体調不良・海外赴任等に伴い、当初計画していた研究共同作業の一部に遅れが生じた。しかし、本年度においてこの遅れはほぼ取り戻したものの、解析の最終段階において未だ若干の遅れがあるものです。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に収集したマスメディア報道データ、および国内自治体のセーフコミュニティー構築に向けた取り組みに関する調査データの解析を進める。特に、英国・韓国データの解析を進めて、学術論文として発表・公刊するこをを目指す。海外連携研究者とは良好に連絡が取れており、共同作業の再開・推進を実施する予定です。
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次年度の研究費の使用計画 |
本(2013)年度は、参加予定の学会が延期となり、次(2014)年度開催となったこと、また海外研究協力者との打ち合わせ日程の調整がつかず海外渡航が延期となったこと、また無償の研究補助が得られたことにより当初計画の研究費支出を下回った。 2013年度開催予定であったものの延期された国際学会は、次(2014)年度5月に開催予定であり、また秋には研究打ち合わせと研究成果の発表を兼ねて、欧州公衆衛生学会に参加を予定している。 これら遂行のため、海外渡航費、国際学会参加費、成果論文の出版費用、また若干の研究補助謝金として研究費の支出を予定している。
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