研究概要 |
平成25年度は、申請した研究計画に則り、糖尿病関連遺伝子TCF7L2 およびKCNQ1の詳細な検討を行った。糖尿病関連遺伝子TCF7L2 は、10番染色体のq25.2-q25.3上に存在する大きさ約220 kbpの遺伝子である。GWASカタログによれば、2013年末時点で糖尿病に関連する表現型との相関が報告されているTag SNPはTCF7L2遺伝子上に4つ(rs12243326, rs4506565, rs7901695, rs7903146)あり、このうち複数の研究で確認されているのは2つのTag SNP(rs4506565, rs7903146)であった。また、GWASカタログに掲載されている4つのTag SNPは、TCF7L2遺伝子の概ね114,740 kbpから114,780 kbpの範囲にまとまって存在していた。ハプロタイプ解析を行ったところ、4つのTag SNPがブロック1(rs4506565, rs7901695, rs7903146)、ブロック2(rs12243326)に分類されることが分かった。糖尿病関連遺伝子KCNQ1 は、11番染色体のp15.5上に存在する大きさ約400 kbpの遺伝子である。GWASカタログによれば、2013年末時点で糖尿病に関連する表現型との相関が報告されているTag SNPはKCNQ1遺伝子上に4(rs163182, rs2237892, rs2237895, rs2237897)あり、このうち複数の研究で確認されているのは1つのTag SNP(rs2237892)であった。また、GWASカタログに掲載されている4つのTag SNPは、KCNQ1遺伝子の概ね2,796 kbpから2,816 kbpの範囲にまとまって存在していた。ハプロタイプ解析を行ったところ、4つのTag SNPが同じブロックに存在することが分かった。同じブロックに存在するTag SNPから得られる遺伝的情報はほぼ同一であるので、大腸腺腫との関連解析を行うにあたり、TCF7L2遺伝子から2つのTag SNP(rs7903146, rs12243326)、KCNQ1遺伝子から1つのTag SNP(rs2237892)を選択することとした。
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